「亭主元気で留守がいい」(86年)、「オヤジギャル」(90年)、「同情するならカネをくれ」(94年)‥‥、過去30年の新語・流行語からトップテンが発表された。そこで、時代の波に飲まれてしまうにはもったいない「珍語・裏流行語」を厳選一挙放出といってみよう。はたして、粒ぞろいの味わい深いフレーズの中から大賞は誰の手に!?
「今年は本家流行語の大賞候補がめじろ押しでまれに見る盛況ぶりですが、このノミネート語リストを眺めるだけで、裏のほうも曲者ぞろいですね」
と目を細めるのは、本家でも選考委員を務める漫画家のやくみつる氏だ。本家ではドラマ「半沢直樹」(TBS系)の「倍返し」、NHK朝ドラ「あまちゃん」の「じぇじぇじぇ」、五輪招致の「おもてなし」の3強に「今でしょ」「アベノミクス」などがどこまで食い込むかというところだ。
「倍返しより『まんぐり返し』。半沢より『半ドア直樹』という、教習所が舞台のくだらないドラマを『アベノミックスピザ』を見ながら食べればいいんじゃない?」
本家にはまるで興味なしの様子の放送プロデューサー、デーブ・スペクター氏が注目したのは、自宅連れ込み不倫騒動の矢口真里(30)から生まれた「矢口る」だ。
「流行語は使って楽しいのが一番だからね。『矢口る』は理想的な流行語ですよ。これがはやればすぐに女の子とデキる風潮になるし、これ最高でしょ。自宅に連れ込むのがはやって困るのはラブホテル業界だけかもね」
と猛プッシュ。ライターの尾谷幸憲氏ももろ手を上げて賛成する。
「AVなどアダルト業界では数年前から自分のパートナーが別の異性にやられちゃう『寝取られ』ブームがあった。それを芸能人が体現するとはビックリしました。ただ残念なのは、騒動で2人がケンカしてしまったこと。本来は相手に土下座させるのではなく、『あの男のモノでは何度イッたんだ!!』と激しいエッチで仲直りするのが正しい。そうすれば矢口さんも寝取られ美女として早期復帰が可能になったはずなんですが‥‥」
ちまたでは肉食すぎるやぐっち妻がひそかに増えているのでご用心!
さて、素人妻といえば大家族番組「痛快! ビッグダディ」(テレビ朝日系)からは、元妻の林下美奈子(30)が暴露本「ハダカの美奈子」(講談社)を出版。
「皆さん勘違いされているのではないかと思うのですが、『ビッグダディ』は大家族として注目を浴びたのではなく、巨乳のムチッとした人妻が、オヤジにひたすら子作りされているというまことにエロい状況が、我々の潜在エロ意識を刺激したわけです。でなければ中島知子主演で映画化される需要も湧かないハズ」(尾谷氏)
その後、勢い余って芸能界デビューまで果たした美奈子を、やく氏もこうたたえる。
「ビッグダディは、安っぽくてイロモノでわかりやすいところがウケたのでしょうが、最後は完全に美奈子に持っていかれてしまった」
一方、この美奈子にルール違反の烙印を押すのはデーブ氏。
「美奈子はフジテレビにレギュラー出演しているけど、本来売り出してもらったテレビ朝日の番組に恩返ししないとダメだよね。『報道ステーション』で古舘さんに『やっぱりゴムは嫌い?』と聞かれて、少子化問題について答える義務があると思うよ」
国民の疑問には「ハダカになって」答えるべき!?
「それより、今年いちばんガッカリしたのがみのもんた(69)。せっかく裏流行語大賞を取るチャンスだったのに、『バカヤロー!』だけしか言わないなんて、何のためにバラエティ番組をやってきたんだろうね。記者の質問に『今日をもって話はしない。ファイナルアンサーだ』とか、おもしろいこと言ってほしかったよ。せいぜい“むねもんた”に改名して、来年4月から新番組『さわっていいとも!』で頑張ってほしいよね」(デーブ氏)
確かに、肩肘張ってジャーナリストを気取るよりもお昼の番組で同世代の「お嬢さんイジリ」したほうが“みの”ためかも。
「カードを盗んだ息子を『別人格』と弁護する言葉が若干引っ掛かりましたが、会見最後での『バカヤロー!』の言葉は明らかに記者に向けられた言葉だった気がします。ひと言誰かが『それはマスコミがですか?』と聞けば、裏流行語大賞が生まれたかもしれません」(やく氏)
うーん、まさに「朝ズバッ!」(TBS系)の名物コーナーさながら「もったいない!」。
大物司会者にガッカリしたところにまくってきたのは、脱税で休業していた板東英二(73)だ。
「最後の最後に『植毛は経費』で笑わせてくれました。とはいえ、この問題は第2の『食品誤表示』に発展する可能性があります。私も慌てて『ウチは経費で計上してないか?』とカミさんに確認してしまったが、芸能人でも植毛を経費で落としている人はいるのではないか」(やく氏)
今後の群発謝罪の余震に要注意だ。
◆アサヒ芸能11/19発売(11/28号)より