白鵬、気魄の全勝優勝!勝負への執念がもたらした圧倒的な復活劇。鬼の形相ふたたびで、45回目の幕内優勝がなったのである。
右膝の手術を乗り越えて臨んだ名古屋場所で日に日に調子を上げ、迎えた照ノ富士との千秋楽全勝決戦。 1960年春:若乃花VS栃錦、63年秋:柏戸VS大鵬、64年春:大鵬VS柏戸と栃若時代、柏鵬時代を象徴する名勝負が繰り広げられている楽日全勝対決だが、4回目は、83年秋場所の隆の里・千代の富士戦だった。そして白鵬自身が演じた5回目の大関日馬富士との全勝決戦は、くしくも9年前の12年名古屋場所だった。白鵬が敗れ、日馬富士は横綱昇進への足掛かりを作ることになるのである。
名古屋場所直前は、白鵬の「進退」が取り沙汰され、照ノ富士への世代交代さえ、ささやかれたが、終わってみれば、東西の横綱、龍虎並び立つ、9月場所への期待がいやが上にも高まる場所となった。
さて、「週刊アサヒ芸能」で、大反響の中、連載を続けるライブ相撲マンガ「白鵬本紀」第12番のサブタイトルは、「栴檀は双葉より芳し」。「栴檀」とは、無論16歳の少年・白鵬のことである。
2001年5月場所で負け越した白鵬だったが、新弟子が全員通うことになる「相撲教習所」で、その才能の片鱗を見せ始めることになる。正しく、栴檀はその双葉の頃より、芳香を放っていたというわけだ…。
ちなみに、相撲教習所の朝は早い。朝7時に教習所に集合して、まず国技館をランニング3周。そして、四股、屈伸運動を終え、体をほぐして土俵に入る。実力に応じての3班に分かれた、実技取組の稽古が行われることになるのだが、白鵬は果たして…?発揮される、その圧倒的な「負けん気」は、たしかに、今の土俵の気魄につながるものだ。大器は目覚め始めたのである。
同時進行ライブ相撲マンガ「白鵬本紀」第12番は7月20日発売の「週刊アサヒ芸能」7月29日号に掲載。はっけよい!