広島の補強ポイントといえば「右の大砲」だろう。
「栗原健太(31)が故障から2年連続本塁打ゼロに終われば、堂林翔太(22)は伸び悩み。後半こそ少し存在感を見せたものの安定感のないエルドレッド(33)など、大きいのが打てる右打者がもの足りない状況です」(広島担当記者)
もちろん、巨人も広島が右の強打者を狙ってくることを読んだうえでプロテクトをかけてくるだろう。
「例えば、矢野謙次(33)はここぞという時の一発が恐れられ、広島からすれば魅力的な選手。ただ、巨人の代打の切り札でもあるだけに、プロテクト漏れの可能性は低いと思います」(前出・広島担当記者)
そこで急浮上してくるのが、くしくも「広島県出身」の若き大砲だった。
東海大相模高校出身で、原監督の後輩ということもあり目をかけられてきた、大田泰示(23)である。
あの松井秀喜氏(39)の背番号「55」を受け継ぎ、高校通算65本塁打を放った大砲だが、プロテクトされる可能性は五分五分というところまで評価は下がっている。
「10月に二軍練習に向かう際、大田は自転車で転倒してしまい、両手のひらと足を負傷。大ケガではなかったものの、CS出場を棒に振りました。チームメイトからからかわれているだけならまだしも、ナベツネ会長から叱責が飛んで、原監督に至っては、そのことを質問した記者に対して、『失望した』と突き放したんです。さらに『大田が‥‥』と食い下がる記者に、『その質問はやめてくれ!』と声を荒らげました」(巨人番記者)
期待が高かっただけに、なかなか芽が出ない大田に対する歯がゆさがあったのだろう。
「11月24日には、ついに背番号が『55』から『44』へと変更されることになった。“ゴジラ2世”のはずがプロ5年でたった2本塁打ですもんね。今オフには、同じ鳴り物入り入団だった辻内崇伸(25)が戦力外となったのがショックで、大田は『自分は用済みなんだ』と嘆いているとか。でも正直、巨人の『55』はプレッシャーを背負わされ続ける宿命にある。本人も周囲には『正直、いりません』とこぼしていましたからね。プレッシャーから解放されれば潜在能力の高い大田はやりますよ。嶋重宣(37)の後継者として、“新・赤ゴジラ”襲名となれば赤ヘルファンも沸きますしね」(球界関係者)