「ファイターズ、サイコー!」
巨人から追い出されるように北海道日本ハムへトレードに出された矢野謙次がセパ交流戦で即スタメンに起用され、横浜DeNAを奈落に突き落とす猛打賞、そして翌日には逆転のスリーラン本塁打と、巨人ファンもあ然とする大活躍をしたのは記憶に新しい。
その初日の猛打賞によってお立ち台に立った矢野が、マイクにぶつかる勢いで発した言葉が「ファイターズ、サイコー!」だ。
「翌日の逆転本塁打のお立ち台でも(巨人時代なら)代打を出されていたと、痛烈な原監督批判。『ファイターズ、サイコー!』には巨人への怨念がこれ以上ないくらいこもってましたよね。矢野のあまりの迫力に、記者の間では『(巨人の)菅野が聞いたら、ぶ然とするだろうね』と話題になってましたよ(笑)」(スポーツ紙記者)
巨人の現エース・菅野智之といえば、大学時代に他球団のスカウトを門前払いするなど、ドラフト指名をめぐって過剰なまでの「巨人愛」を前面に押し出した原監督の甥っ子。ところが2011年のドラフトで日ハムが1位指名で交渉権を獲得し、1浪を余儀なくされた経緯がある。
「周囲の策略もあり、オレは巨人に入るのが当然だと大いなる勘違いをしていた菅野が、つまりは『ファイターズ、サイテー!』と叫んだわけです。当時、ファイターズファンはさすがにショックを受けてましたよ。なぜ、そんなに嫌うんだと。しかし、いまや北海道のファンは満場一致で菅野が来なくてよかったと思ってますね。そのぐらい、ファイターズは和を大切にする温かいチーム。矢野の活躍に大喜びした中田翔が、『うちはそういう(巨人みたいな)チームじゃないことを知ってもらえれば』とコメントしてましたが、まったくそのとおりです」(スポーツ紙・日ハム担当)
巨人との日本シリーズで矢野が菅野から打ち、古巣の目の前で再び「ファイターズ、サイコー!」と叫ぶ姿を日ハムファンは見たがっていることだろう。
(村岡タクミ)