NHKが12月18日(前編)と25日(後編)に放送する土曜ドラマ「風の向こうへ駆け抜けろ」(原作・古内一絵)の制作を発表したのはさる8月24日。主演を務めるのは欅坂46の元メンバーで女優の平手友梨奈(20)だ。テレビ誌ライターが話す。
「地方競馬を舞台にしたドラマで、平手は新人女性騎手役。廃業寸前の緑川厩舎に所属することになった平手演じる芦原瑞穂騎手が、調教師や厩務員たちと力を合わせて中央競馬のGI桜花賞に挑む物語です」
実はNHKと競馬の関係はかなり深い。スポーツ紙記者が解説する。
「NHKが初めてテレビで競馬中継を行ったのが1953年の『中山大障害』。以来、GI競走の一部を中継しています。96年にNHK杯がGIに昇格してレース名が『NHKマイルカップ』になってからは、ゲストに大河ドラマや朝ドラ俳優を呼ぶなど、番組にも力を入れるようになりました。初ゲストは05年、競走馬を題材にした朝ドラ『ファイト』に出演していた緒方直人(53)。コロナ禍になってからゲストは呼ばれていませんが、19年は『いだてん』の中村勘九郎(39)、18年は『西郷どん』の南野陽子(54)が出演しています」
そのNHKが競馬を題材にしたドラマを2夜にわたって放送したのが17年3月の「絆~走れ奇跡の子馬~」(原作・島田明宏)。東日本大震災で傷ついた家族が震災当日に生まれた仔馬を夢の競走馬へ育てていく物語で、父親を役所広司(65)、長女を新垣結衣(33)が熱演した。
「震災で牧場がメチャクチャになり、長男(岡田将生=32=)が亡くなったりする中、馬と人の優しくて温かい絆が生まれる感動物語です。一生懸命に馬の世話をするガッキーがとても魅力的でしたね。平手はNHKのドラマは初出演だそうですが、ガッキーもこの時が初めてだった。05年の『ドラゴン桜』(TBS系)でガッキーが話題になり、今年放送された『ドラゴン桜』(第2シリーズ)で平手の演技力が評価されたという共通点もあります。“ポスト・ガッキー”にふさわしい人材だと思います」(前出・テレビ誌ライター)
新垣は来年1月放送の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、主人公の北条義時(小栗旬=38=)の初恋の人にして、源頼朝の最初の妻となる八重役を演じることが決まっている。平手も今回のドラマで中高年層の支持を得られれば、大河ドラマへの道も開けるはず。もしかしたら数年後は「NHKマイルカップ」中継のゲスト席に座っているかもしれない。