日本プロ野球史上、7名しか獲得していない三冠王。1938年に達成した初代三冠王の故・中島治康氏(巨人)に始まり、故・野村克也氏(南海)、王貞治氏(巨人)、落合博満氏(ロッテ)、ブーマー・ウェルズ氏(阪急)、ランディ・バース氏(阪神)と錚々たる傑物が名前を連ねる中、2004年、ダイエーの松中信彦氏が平成で唯一となる三冠王に輝いた。
その松中氏が、プロ野球のOB、1300人が所属している「プロ野球OBクラブ」のYouTubeチャンネル〈プロ野球OBクラブチャンネル〉に出演。三冠王の「秘訣」について語るとともに、日本球界を離れた、あの選手の存在が重要であったことを明かした。
同チャンネルの8月15日付け投稿回〈【超貴重】松中信彦が語る三冠王の話。2004年何があったのか?〉で、明かされたのだが、三冠王には「前後の充実」が必要とした松中氏。どういうことか。
松中氏が4番を務めた現役時代には、3番に日米通算2254安打の井口資仁氏、5番に捕手としてMLBに渡った経歴を持つ城島健司氏といった強打者の存在があった。特に、5番が弱ければ松中氏は四球となるケースが増えるため、「打ち気」が率も落とし、ホームラン数の減少にも繋がるだろうと冷静に分析。
さらには、「運もありました。僕の時はイチロー君がいなかったので。イチロー君がいたら、間違いなく獲れてないと思うし」と、NPBで首位打者7度、打点王にも1度輝いた日本が誇る元メジャーリーガーの名前を松中氏は出して説明したのである。
イチロー氏は、NPB最終年の2000年に打率「.387」をマーク。松中氏が三冠王を達成した04年の打率が自身の最高「.358」だったことから、「3割8分、9分とか、全然打てないです」とも言うのであった。
さて、そんな松中氏は現在三冠王に近い存在として、巨人の岡本和真、ヤクルトの村上宗隆を挙げた。令和初の三冠王達成は、はたして?
(ユーチューブライター・所ひで)