昨年の暮れからそうだったが、この冬の寒さはハンパない。身にこたえてどうしようもないが、我ら競馬ファンとしては、大きく儲けて懐を暖めたいところである。
厳寒期の中、今週から東京開催に移り、開幕週のメインを飾るのは根岸S。真冬にふさわしいダート競馬の重賞で、開催最終週に行われるGIフェブラリーSの前哨戦である(1着馬に優先出走権)。
例年と同様、今年もなかなかの好メンバーと言っていいだろう。一線級は直行で本番を迎える馬が多く、また、本番がマイル戦であるのに対して、ここは1ハロン短い1400メートル戦。この距離に全力を傾けてくるスペシャリストも多いのだ。
ということで、実績馬を上位と見るか、この距離を得意とする馬に目を向けるか、その判断がなかなか難しいところである。いずれにしても顔ぶれは多彩。馬券的には、おもしろくも難解だ。
では、過去のデータをひもといてみよう。
03年に馬単が導入されて以降、これまでの19年間、馬単での万馬券は5回(馬連は2回)。とはいえ、ここ7年は馬単での万馬券は出ていない。であれば比較的順当に収まっているように思えるが、1番人気馬の6勝(2着6回)に対して2番人気馬は3勝(2着1回)。1、2番人気馬によるワンツー決着はわずか2回。やはり、そう簡単に決まらない重賞であることがわかる。
年齢的には出走頭数も多いのだが、5歳馬が6勝、2着10回と連対率で群を抜いている。次いで6歳馬の6勝(2着3回)、4歳馬が4勝(2着2回)。7歳馬も3勝(2着1回)と、充実著しい古馬が地力にモノを言わせている格好だ。
実績か、距離適性かで悩んだ末、ここはノビシロ十分で距離実績のある馬に目をつけたい。期待を寄せたいのは、サヴァである。
明け4歳馬で生きがよく、これまで9戦というキャリアを思えば、まだまだこれからの馬。いい意味で変わっても、悪くなりようがない。
そういう意味では前走のすばるSの12着は、穴党にとってありがたいかぎり。これで評価、人気が落ちることは間違いないからだ。しかし、軽く見てはいけない。前走は調整の不備で重め残りの状態(馬体重は前走比プラス16キロ)。レースでも追いだしてからがサッパリで、参考外にしていい。
この中間は順調に乗り込まれており、調整に抜かりはなく、1週前の追い切りも実にスムーズでリズミカルな動きを披露していた。
「馬体が締まり、実にいい雰囲気。ここにきてたくましくなってきたのもいい」
と、厩舎スタッフが口をそろえるほど、大幅な良化ぶりを見せている。
全勝ち鞍(3勝)がこの7ハロン戦。未勝利戦をレコードで勝ち上がっているように距離適性は抜群で、昨年のユニコーンSで2着するなど、東京コースの実績もある。ここは前走からの巻き返しを大いに期待してよさそうだ。
祖母ダイワルージュは新潟3歳S(現2歳S)の勝ち馬で、曾祖母は重賞4勝のスカーレットブーケ。近親にダイワメジャー(マイルCSを連覇するなどGI5勝)、ダイワスカーレット(桜花賞、有馬記念などGI4勝)など、活躍馬がズラリと並ぶ血統馬。
マイルに距離が延びても不安はなく、今後も楽しみな逸材だけに、ここは大きく狙ってみたい。