大相撲九州場所も11月14日に初日を迎えた。宮城野勢は、残念ながら、石浦、炎鵬、北青鵬とも黒星発進。西の花道に立つ間垣親方(白鵬)のジャンパー姿のみ“大金星”といったところだが、間垣親方として、超多忙な日々を送る白鵬がこう話す。
「引退して少しは休めるかなと思ったら、とんでもない話で、正に今は忙殺といったところです。特に現役中にお世話になった後援者の方々への挨拶回りで福岡へ大坂へと、目の回る忙しさ」
しかし、新たな楽しみもあるという。
「それは新弟子のスカウトです。後援者の方々、学校関係者の口添えで、大勢の子供たちを紹介していただいています。そのおかげで2人入門していただけることになりました」
ところで、引退力士の大きなイベントといえば断髪式。白鵬の断髪式もいずれ、挙行されることになるのだが、ここで大問題が。実は、コロナ禍の影響で、断髪式の中止や延期が相次ぎ、断髪式はまさかの順番待ち。いったい何人が、髷を切らずに親方業に精を出しているのかは、11月16日発売の「週刊アサヒ芸能」11月25日号の同時進行相撲マンガ「白鵬本紀」第28番冒頭の独占最新レポートを読んでのお楽しみ。そこには驚きの数字が…。
続いて物語は若き日の白鵬に移るが今回、第28番は「生涯のライバル現る」だ。白鵬が語る。
「引退記者会見において、『記憶に残る取組は?』の質問に、私は、幕内上位で横綱・朝青龍に勝った金星と、63連勝中に、稀勢の里(きせのさと)関に負けた一番だと答えました」
その稀勢の里との初対戦が今回のハイライト。モンゴル里帰りの条件である7戦6勝がかかった2003年9月秋場所。初日黒星スタートながら、その後は全勝の5勝1敗で迎えた13日目である。
この対戦相手が萩原(はぎわら)、後の稀勢の里だ。萩原は当時から横綱間違いなしと言われた逸材。土俵下にはすごい数のカメラマンがひしめき…。果たして、この勝負、勝利の女神はいったいどちらに微笑むのか?
そんな若き日の白鵬を、さらに幼少期から描き、「確かに私にもいつか終わりは来るでしょう。それが半年先あるいは1年先なのか、いや明日かも知れません」と、オビに記された白鵬自身の予言=決意が反響を呼んでいる「白鵬本紀」第1巻「英雄の子」が発売中だ。同書では幼少期の白鵬が相撲の世界に飛び込み、厳しい世界でたくましく育っていくドラマ、そして復活の全勝優勝を果たした、七月場所の真実も語られている。