折しもこの6月5日には、元72代横綱・稀勢の里=二所ノ関親方が率いる二所ノ関部屋の部屋開きが行われたばかりだ。稀勢の里の故郷、茨城県牛久市の隣町・阿見町に建った、敷地1800坪の巨大な相撲部屋である。2面ある稽古土俵など、話題満載の披露であった。
「稀勢の里関は、2002年三月春場所が初土俵。自分のちょうど1年後輩になるんですね。初めての対戦が2003年九月秋場所の13日目です」
そう言って回想するのは、元横綱・白鵬の間垣親方である。「週刊アサヒ芸能」で連載中の自身の自伝漫画「白鵬本紀」に登場してのことだ。
それは東幕下23枚目の白鵬と、西幕下35枚目・萩原(のちの稀勢の里)の初顔合わせ。取り直しの末に、白鵬が切り返しで勝利するも、
「負けた萩原の囲み取材が凄くて『オイオイ、勝ったのは自分なのに!』って思いましたね。その後、風呂場で豊ノ島関(現・井筒親方)と一緒になったんです。彼が『萩原はどうだった?』って聞いてきたから『いや、大したことなかったよ』って答えたら『白鵬、お前、凄いなぁ』って驚かれた。多分、勝った自分の所に誰も来てくれなかったのが、よほど悔しかったんでしょうね」(白鵬)
白鵬が真のライバルと語る、稀勢の里との長い戦いの始まりであった。この続きは発売中の「週刊アサヒ芸能」(6月23日号)で確認を。