日本プロ野球の長い歴史において、セ・パ両リーグでMVPを獲得した選手は2人しかいない。
初受賞は、シーズン401奪三振といった日本プロ野球記録を1968年に樹立した江夏豊氏であり、広島での79年と、日本ハムでの81年。2人目は、日本ハム、巨人、中日で活躍した小笠原道大氏だ。日本ハム時代、首位打者2回、本塁打王1回、打点王1回、最多安打2回など数々のタイトルを獲得した小笠原氏。小笠原氏は巨人移籍1年目の07年から、177安打、31本塁打、打率〈.313〉の活躍を見せ、巨人のリーグ制覇に大きく貢献。日本ハムでの2006年と、巨人での07年の2年連続MVPは、史上初の快挙となった。
その小笠原氏が、中日の2軍新監督に就任した片岡篤史氏のYouTubeチャンネル〈片岡篤史チャンネル〉の、11月30日付け投稿回に出演。巨人時代に2000本安打で名球会入りも果たした小笠原氏だが、14年から中日に移籍した。その理由については、巨人での最後の2、3年は芳しい成績を残せなかったことから、「まだできる。もう少し違った形で、やって終わりたい…」と、不完全燃焼を理由として挙げているが、まだできるといった根拠としてこう語ったのだ。
「バットは、一応振れてたので。ただ、ケガでうまく合ってないぐらいな…。で、ボールは止まって見えてたんですよ」
現役時代は、同じバットマンの片岡氏が「ほほほ…」と驚き、白い歯を見せて笑い、「名言出たで!川上監督さん以来やな」と感心する一幕も見せた。
「ボールが止まって見えた」とは、“打撃の神様”と称された故・川上哲治氏(巨人)が、かつて口にした名言。確かに、小笠原氏の活躍ぶりを見れば、確かにそんな言葉を発せられるのもうなずける名プレイヤーだった。
(ユーチューブライター・所ひで)