辺野古埋め立て反対派市長の誕生で普天間飛行場移設問題がドロ沼化する沖縄県に、もう一つの「移設問題」が急浮上した。中日のキャンプ地、北谷町で就任間もないGMが「オレ流ルール」を発令したところ、ファンや地元から大ブーイングが起こったのだ。その勢いたるや、「もう出て行ってもらってもいい」とまで言うのだから──。
「監督時代は『優勝する』という約束で球団と契約していたので、勝つことがファンサービスであり、実際にそう発言していました。しかしGMになった今、オーナーからは『客を入れてくれ』と言われており、経営側の人間として『ファンサービスはしなきゃいけない』と、就任当初から監督時代とは逆のことを口にしています。それなのに、この事態はいったいどういうことなのか、不思議な気持ちですね」
こう言って中日球団関係者が首をひねるのは、落合博満GM(60)が取った、キャンプ地・沖縄県北谷町〈ちゃたんちょう〉での「ある措置」についてだった。
「キャンプ前の1月下旬には、すでに北谷球場の柱には〈サインは控えてください〉という、ファン向けの貼り紙がありました」(地元関係者)
サインをするなどのファンサービスについては高木前監督時代、当時、選手会長のエース・吉見一起(29)が苦情を申し立てたことがある。いわく、
「正直言ってやりすぎ。監督に『サインだけがサービスじゃない』と伝えても、『サインくらいしてやれ』と言う。それでも足を止めてまでサインしろというのは‥‥。ファンと選手が近すぎるのもよくない」
確かに吉見の言うことも理解できる。前監督みずから、練習そっちのけでサインに没頭する風景に違和感を覚えたことは否めず、例えばブルペンから本球場への移動中にサイン攻めにあうのも困るだろう。実際、球場には〈練習場を移動中の選手へのサインはご遠慮願います〉という立て看板があった。
「でも今年は、それ以外の場合でもサイン拒否だという。チームの方針、すなわち落合GMの方針のようですが、悪気があったわけではないとはいえ、さすがにやりすぎなのではないでしょうか」(球場関係者)
こうした方針を打ち出した背景について、名古屋のスポーツマスコミ関係者はこう話す。
「落合監督時代、勝っても勝っても不人気だと言われ、ナゴヤドームの観客動員は増えなかった。そして、『ファンサービスをしない』との批判も。結果、球団は赤字となり、落合監督解任の理由の一つがそこにあったのは確かです。引き継いだ高木前監督はファンサービスをするよう球団に言われ、積極的にこなした。ところが肝心の『結果』は芳しくなく、また落合流に戻ったということでしょう」
落合GMの「ファンサービス宣言」は、どうやらペナントレース開始後のことを指しているようで、
「そうはいってもノウハウがないので、やり方もわからない。だから『代理店など外部に委託するなどして、自分としては何もやらない』と話しているそうです。キャンプ中のことにまでは気が回らなかったのでしょう」(スポーツ紙デスク)