悲願の「都構想」が思うように進まず、よほどイライラが募るのか、橋下徹大阪市長(44)の暴走が止まらない。血税6億円のムダづかいが指摘される「出直し市長選」の強行に飽き足らず、盟友と信じていたはずの公明党へは罵詈雑言を浴びせ続けるのである。このご乱心を、公明党大阪市議団・待場康生幹事長(64)が余裕の顔で迎え撃った。
あそこまで言われたら冷却期間は置かんとあかんし、あの人は毎日言うことが変わりますから、もう付いていかれへんです。しばらくは様子見たほうがええと思いますね。
市長は「裏切った!」とか言うんですけど、そんなん言うたら水掛け論になってしまうし、あの人のほうが口は立ちますからね。そのケンカには乗らない、というスタンスなんです。だいたい大阪というのは、ああいう人を好む土壌がありますからね。横山ノック知事が200万票を獲ったり、西川きよし氏が100万票を獲ったりしたこともあった。あの人を大阪で敵に回すとかなりしんどいというのはありますけど、市長選の出直しは多くの方が「理解できへん」っておっしゃってますよね。
待場幹事長はあきれた口調で、橋下市長の“独裁”について語りだした。一方で橋下市長は、公明党への「罵倒挑発」を繰り返しているのである。いわく、
「議席欲しさに協力すると言って、議席を得たらほごにするのは人の道に反する」
「僕は死ぬまで公明党の選挙区で立候補することをライフワークにする」
「あれだけ裏切られたのだから、とことん行きます」
といった具合だ。はたして、実際に維新と公明党の間でどのような約束があったのだろうか。橋下市長誕生から両党の話し合いの場に立ち会い続けてきた、待場幹事長が振り返る。
いろいろ市長と意見交換をやらせていただいた中で、「うちは(大阪市議会では)過半数行ってないんで、公明さんの協力頼みますわ」と向こうから来はったんですよ。逆に一昨年の衆院選では「協力します」って話があって、あの時、うちも尼崎の兵庫2区というのがたいへん厳しくて、それは確かですわ。
都構想に関しては、「住民投票」というチェックが入る法律を通すのに、自民、民主も巻き込んで、制度を作るのに協力しました。だけど、制度の中身については白紙委任したわけじゃないし、それがええもんか悪いもんかは、これから議論しましょうということなんで、住民投票まで支えるなんて約束はしていませんよ。自民、民主、みんな、共産は反対やったんやけど、そんなん維新、公明だけで行ってもうたらあかんやろういうことで、反対する自民、民主も入れて議論するために「法定協議会」という制度を作ったんやからね。