昨シーズン、2015年以来6年ぶりのリーグ優勝、そして01年以来20年ぶりの日本一に輝いた、東京ヤクルトスワローズ。ヤクルトが初めて日本一を制したのは、今から44年前の1978年、広岡達朗監督時代のことだった。
その78年に、16勝をあげる活躍でリーグ優勝、ならびに阪急ブレーブスとの日本シリーズでは2勝2セーブを記録し日本一に大きく貢献した右腕・松岡弘氏が、「プロ野球OBクラブ」のYouTubeチャンネルに出演した(4月12日投稿動画)。
78年、松岡氏は6月1日の中日ドラゴンズ戦で4勝目をあげるも、同5日の阪神タイガース戦を最後に広岡監督の意向でマウンドから遠ざかり、7月2日の中日戦で登板するまで実に1カ月も登板機会がなかった時期があったという。
松岡氏いわく、広岡監督の「管理野球」に反発を覚える時期もあったそうで、意見を素直に取り入れることができなかったのだとか。しかし、コーチから「広岡監督の言うことを聞け。素直になれ!」と指摘を受け、心を入れ替えた後、1カ月ぶりのマウンドで1失点完投勝利をあげたのだった。
エースを休ませたことはチームにとっても痛手だったに違いないが、松岡氏は「松岡にあれだけのことをさせるのだと、(広岡監督は)チームに知らしめたんです。78年が終わるまでは分からなかった。辛かっただけで…」と、広岡監督のチーム統率方法だったのだろうと振り返った。
松岡氏はその年、沢村栄治賞も獲得。広岡氏の管理方法もお見事ながら、それに応えた松岡氏もアッパレな話を拝聴できた。
(ユーチューブライター・所ひで)