そもそも岸井が女優デビューを飾ったのは09年のドラマ「小公女セイラ」(TBS系)。当時はまだ17歳の高校生だった。それから着実にステップアップし、15年には舞台「気づかいルーシー」で主演を務め、16年には人気ドラマ「99.9-刑事専門弁護士-」(TBS系)や大河ドラマ「真田丸」での演技が大好評。期待の若手女優として一躍注目され始めた。
映画パーソナリティーの津島令子氏は、その演技力に太鼓判を押す。
「初主演映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』(17年、マグネタイズ、松竹メディア事業部)では、第39回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞しているように、芝居がとてもうまい。役になりきる能力に長けていて、コミカルもシリアスもこなせる演技力が魅力ですし、かつ共演者も生かす。例えば『99.9』シリーズでは、主演の松本潤(38)演じる深山に思いを寄せながら邪険に扱われる役ですが、めげないコミカルな演技は浮くこともないし、深山のイメージを損なうこともありません」
初主演映画は、岸井にとって初の濡れ場作品でもあった。
「冒頭からセックスシーンで始まります。自宅の部屋でベッドがきしむ音が響く中、両親公認の彼氏に正常位で激しく突かれ、かすかなアエギ声を漏らす。しかし岸井は、映画の展開を暗示する天井に貼ってあるポスターを見つめていて、どこか淡々としたエッチのように映る。そこに電話が鳴り、祖父の死去を知る──という展開です」(映画関係者)
岸井は祖父が亡くなった時にセックスをしていたことに罪悪感めいた思いを抱えるが、葬儀の翌朝、実家に軽自動車で迎えに来てくれた彼氏とのカーセックスで笑顔を取り戻す。
上半身裸のまま、助手席の彼氏の上にまたがり、対面座位で唇を何度も重ね合う。BGMが流れ、スロー映像の中、彼氏にしがみつきながらリズミカルに体を上下に揺らすのだが、
「裸とはいえ、オッパイの露出は封印しています。それでも臨場感はたっぷり。彼女の代表作の1つ、『愛がなんだ』(19年、エレファントハウス)では、監督がOKを出したにもかかわらず、キスシーンの再撮を直訴した。つまり“脱がなくてもエロく魅せる”ことに強いこだわりを持つ女優だと言えます」(映画関係者)