壇上に登場し、着席するやいなや「アニキー!」の野太い声が飛ぶ。引退して野球評論家となった今も現役選手以上の人気を誇る元鉄人は、フルスイングな打撃以上に話術も豪快だった。「禁断裏話」満載のトークショーに初潜入。バックスクリーン越えの毒舌ホームランを堪能してきた!
開演時間になった瞬間、会場に「六甲おろし」が流れると、ほぼ満員の客席は一斉に手拍子。ここは兵庫県・明石市民会館。すでに阪神ファンがこぞって集結していた。金本知憲氏(45)が現れると、司会進行役のフリーアナウンサー・堀江良信との掛け合い形式のトークショーが始まった。
──今日(3月8日)、タイガースはオープン戦がありました。
「そうですね。負けたんですか。一つ、すごく楽しみにしている試合のポイントがあってですね、新井(貴浩=37=)がゲッツーを打つかどうか。そしたら、みごと1打席目に打ちました」
──ノーアウトでランナー一塁に出ました。続いて登場したのが新井さん。
「ハイ。頼むから(ゲッツーを)打ってくれ、と。ホントに打ってね、腹抱えて笑ってました。ザマーミロっつって」
いきなり炸裂したのは、やはり恒例の「新井イジリ」。現役時代からの「ライフワーク」で、客席のツカミはバッチリだ。在阪スポーツ紙デスクが言う。
「金本氏は阪神の沖縄キャンプ視察時も新井をイジっていた。金本氏、桧山進次郎氏の引退で新井は今、チーム内で最年長グループに入る。もはや金本氏以外にイジる人間はいません。生真面目な性格の新井は、金本氏の引退で多少はホッとしていたようですが‥‥」
たとえグラウンドを離れても新井イジリはアニキ必須のお得意芸。会場に爆笑が響く中、さらに‥‥。
──今年は新井さん、すごく意気込んで「原点に帰る」と言って、母校の広島工業で自主トレやったり。
「原点に帰るって、今、ホンマにやっとるん? 彼、今年37歳ですよ。今年のバッティングは、こうする、ああするとか訳のわからないこと言ってて、お前何年目よ、みたいなね。(若手の)伊藤隼太じゃないんだよ、お前は。『もっと頭を使って。経験があるんだから、もっと大事にするものがあるでしょ』って(キャンプ中、新井に)言ったら、シレーッと無視してどっか行きました。(新井)良太(30)クラスが『今年はこれに取り組む』と言うのはまだわかるんですけど、もう16年やってる選手が『今年はこれ』とか言ってる時点で基礎がないですね」
──でも、それだけ見続けているということは、新井さんに対する愛情はもう‥‥。
「これがね、ないんです。エラーとゲッツー、見たいんですよ」
新井イジリが一段落すると、客席に呼びかけた。
「今日はどんな話がいいですか。真面目な話します? それとも阪神の‥‥」
するとすかさず客席から「裏話!」のリクエスト。
「あ、裏話。暴露大会になっちゃいますね。これで決して口の軽い男と思わないでくださいね、サービスなんで。和田監督の不倫は“表話”になりますね。それと板東英二さんの植毛‥‥」
──それ、タイガース関係ないですから!
◆アサヒ芸能3/18発売(3/27号)より