3月8日の兵庫県明石市での講演に魅了され、アニキを再度追っかけた。爆弾トークのスケールは、やはり鉄人そのものだった。定番の新井イジリから阪神後輩の裏ネタ、かつての上司の暴露秘話まで、またしても期待を裏切らず、90分間タップリと吠えてくれたのである。
3月23日、兵庫・伊丹市立文化会館いたみホール。大勢のタイガースファンが主役の登場を待ち焦がれていた。開演時間と同時に「六甲おろし」が流れ、客席のテンションは一気に上がる。手拍子で盛大に出迎えられたのは、虎のアニキこと金本知憲氏(45)だった。
今回は進行役の女性レポーターが質問し、アニキがそれに答えるという形式。冒頭、写真撮影のサービスタイムが終わると、ついに開始である。
──このトークショーには「開幕直前スペシャル」というサブタイトルが付いているんですよ。オープン戦は今日が最後ですが。
「今日が最後なんですか。皆さん、見に行かなくていいんですか」
この日は、京セラドームでオリックス戦があった。結果は先発の榎田大樹(27)が4回3失点の大炎上。打線も振るわず、黒星に終わり、オープン戦順位も12球団中11位というふがいない結果となってしまった。
──オープン戦は3つしか勝ってないです。
「まぁ、オープン戦勝つとね、シーズン負けるもんですよ」
──別に、そこまで気にしなくてもいい?
「そうですね。僕個人もね、そういうバイオリズムがあるんでね、だからよくキャンプで若い選手がパッと結果残すのはいいんですけど、必ず開幕で打てなくなって二軍に行ってしまうというね。だからボチボチくらいがいいんですよ。でも、若い選手は数字が全てなんでね、結果を残さないといけないんですけどね。ある程度ベテランになったら自分のテーマと体調といろいろ‥‥何ていうんですかね。まぁいいですか、新井(貴浩=37=)の話は」
ここで恒例の「新井イジリ」のスタートである。
「みんな待ってるんでね、新井の話をしないトークショーがあったんですけど、あとからクレーム来ましたからね。彼が(広島からFAで)阪神に来るのが本当に嫌だったんですけどね。本当にね、頼むから来るなって言ったんです。僕が呼んだと思われると、またカープファンに恨まれるんでね。でも、彼がFAを決めた時にタイガースの球団社長とかオーナーの宮崎さんにですね、『カネ、ありがとう、新井呼んできてくれて』と言われて、その時だけ『いえいえ、どういたしまして』って(笑)」
新井の移籍で、何もしていないにもかかわらず、球団関係者から感謝されるとは、さすがアニキの威厳。ここから「新井イジリ」のエンジンはフルスロットルである。
「佐村河内と“アイツ”の出身地が一緒なんですよ。僕が沖縄キャンプの時、飛行機の中で新聞読んでたんですよ。そしたらね、新井のオカンが佐村河内のことでインタビューに答えてたんです」
確かに、ゴースト作曲家騒動でバッシングを受けた佐村河内守氏と新井は、
「同じ広島出身どころか、実家が同じ団地だといいます」(芸能記者)
アニキが畳みかける。
「僕は(今年の)沖縄のキャンプ(の視察)に着いて練習場に行って、『おい、佐村河内とお前、親戚らしいな』って(笑)。そしたら『変な噂、流さんといてください』って言うんですよ。そっからね、僕はあいつのことずっとベートーベンって呼んでるんです。打席で『ジャジャジャジャーン』と音楽を流せば盛り上がる」
さらに、アニキはまくしたてるのだ。
「髪型もマネしたらいいのにね。アイツ、よくサングラスかけてるんですよ。曇りなのにサングラスかけるんですよ」
渦中の人物を絡めて新井をイジり倒すアニキ。もはや職人芸の域にまで達しているのではないか。
「すばらしいのが、新井がすぐにオカンに電話したらしいんですけどね。『オカン、何でそんな質問答えたん、バカ』とか言ったそうですよ。『バカ』って」