女優であり歌手の大場久美子を一躍スターダムに押し上げたのは、1978年から79年までTBS系で放送されたテレビドラマ「コメットさん」出演がきっかけである。天真爛漫、明るい笑顔の大場演じる2代目コメットさんは、当時を知るファンの記憶に、今も強く残っていることだろう。
ところがオーディションで合格を勝ち取った理由は、むしろ真逆のものだった。お笑いタレント・くわばたりえ(クワバタオハラ)のYouTubeチャンネル〈バタちゃんねる〉に大場が出演して当時を回想(6月4日)したところによると、
「友達と目が合ったら、パターンと貧血で倒れるぐらい…」
そう言うほど、幼少期は人とのコミュニケーションが苦手だった。長らく学校に通うことができない時期もあったものの、テレビアイドルに憧れて、13歳で劇団入り。しかしとにかく、お喋りが苦手。楽屋では1人で読書や編み物に興じるタイプだったという。
そんな大場のもとに「コメットさん」のチャンスが巡ってきたのは、18歳の時だった。オーディションで最終選考の7人に残ると、既にシングルデビューしていたことから、歌唱を促される。その自信のなさから「落ちた」と下を向くと、「暗い顔がいい!」と、なんと合格。
「時代背景的に、人の痛みがわかる暗い子が欲しかったんですって」
そう振り返った大場は「人生に無駄はない」という教訓を得たのだとか。
(所ひで/ユーチューブライター)