長いコロナ禍トンネルを抜けると、待っていたのは物価高だった。今世紀最悪の円安に加え、参院選後には大増税が待ち受けている。まさに国民生活にはトリプルパンチ──。
日用品の値上げラッシュが止まらない。帝国データバンクの調査によれば、22年以降の食品主要メーカーの価格改定計画で、5月末までに1万789品目の値上がりが確認された。特に目立ったのが3609品目の加工品で、これは食用油、小麦粉、大豆、砂糖など原材料の高騰によるものだという。
ところが6月13日の参議院予算委員会での、岸田文雄総理の発言はというと、
「欧米では7~8%台のインフレに直面する中、国内では4月の物価指数は2.5%の上昇にとどまっている」
なんとも高をくくった説明に終始。自慢の「聞く耳」も使うことなく、消費税減税など野党の提案を一蹴した。
おまけに日銀・黒田東彦総裁の「家計の値上げ許容度が上がってきた」という不用意発言もダメ押しされ、内閣支持率が初めてダウンした。
政治部デスクが解説する。
「昨秋の岸田内閣の発足以来、初めて支持率が6割を下回りました。物価高への経済対策に対しても、6割超がNOを突き付けている。生活に直結する物価高が庶民の怒りを買った形です。7月10日投開票の参院選では、この『岸田インフレ』が争点となるだけに、政府も大慌てです」
もはや底なし、日本円叩き売りの暴落で庶民生活は困窮する一方だが、それでも窮死せず生き抜く術はないものか。発売中の「週刊アサヒ芸能」6月30日号で、「岸田インフレ」で火だるまになる前の特効薬について、経済専門家が解説している。