米大リーグでのプレーを断念して日本球界での復帰を模索していた秋山翔吾が、広島に移籍すると報じられた。
先週、獲得に名乗りを上げた古巣の西武、ソフトバンク、広島の順に、東京都内のホテルで相次いで入団交渉を行った。熟考の末、馴染みのないカープ行きを決めたのだ。神奈川県出身の秋山は、日本球界では西武一筋。縁もゆかりもない球団への移籍にはハードルが高いとみられていたが、それでも決断した裏には何があったのか。球界OBが解説する。
「侍ジャパン時代から仲が良く“イジり”をしてきた菊池涼介の存在が最も大きかった。先輩、後輩関係なく空気を読んで接することができるのは、菊池の最大の持ち味でもある。安心して妻子とともに移り住んで暮らすことができると思います」
もうひとつは、批判にさらされない特殊な環境だ。セ・リーグ関係者は、
「西武は優勝翌日こそ1面を飾りますが、普段は他の球団に押されて扱いが小さい。その分、活躍しなくても批判に晒されることはなかった。広島もその部分では同じで、スポーツ新聞、テレビ、ラジオ含めてオール『与党』。特に今回は松田元オーナー自ら獲得指令を飛ばしたため、批判を書けば出入り禁止措置の対象にもなりかねない。阪神、巨人など人気球団から水面下で接触されても決して首を縦に振らなかったのは、プレッシャーに弱い部分があるから。結果的に守ってもらえる土地を選んでいます」
最初に海を渡った時に所属したシンシナティ・レッズと同じ「C」マークの球団で、再び暴れることはできるか。