人見知りを公言する芸能人は多い。「アメトーーク!」(テレビ朝日系)でも、過去に何度も「人見知り芸人」を放送しているほどだ。
その顔ぶれはというと、若林正恭(オードリー)、有吉弘行、バカリズム、岩尾望(フットボールアワー)、富澤たけし(サンドウィッチマン)、川島明(麒麟)。
芸人以外では、滝沢カレンもいた。楽屋で話しかけられないよう「ドリンクのラベルを読み込む」「お弁当をゆっくり食べる」「ささくれを取るフリをする」「不機嫌なフリをする」といった「人見知りあるある」に、少なからず共感を抱いていたわけだが…。
そもそもネガティブな響きのある「人見知り」を「実は私…」とカミングアウトするタレントや芸人がぞろぞろと現れてあれこれ言うのは、人見知りの上に性格が悪い私としては「本当か?」と穿って見てしまう。
実際、「ビジネス人見知り」としか思えないタレントもいて、そういうのはたいがい「昔は人見知りだったけど、克服した」的なことを言い出すのだ。
「アメトーーク!」第1回、第2回「人見知り芸人」に出演していた若林が、第3回では「人見知り卒業生」として登場し、「人見知り克服法」を伝授していたのには驚いた。おまけに「社会人大学人見知り学部 卒業見込」(角川文庫/メディアファクトリー)なる本は出すわ、結婚はするわ。
6月21日放送の「午前0時の森」(日本テレビ系)でのこと。水ト麻美アナ相手に「俺ね、デート引退してた時期があるの」と告白した若林。内閣府の調査で「20代男性の約4割がデート経験なし」の話題から、若林が自身の20代半ばを振り返り、そんなことを。
当時、お金がなかった若林は公園デートをよくしていたそうなのだが、ある夏の日──。
当時の彼女が足を三カ所も蚊に刺されて痒そうにしているのを見て「お金があったら蚊に刺されない場所に入れてたんだな、カフェとかに…」とせつなく感じ、それ以降、デートをしなくなった時期があったと明かしたのだ。
20代でデート!? ということは若林も「ビジネス人見知り」だったのかと、裏切られた思いだ。有吉もバカリズムも結婚して「人見知り」の話もしなくなったし…。
人見知りといえば、以前からそのエピソードをことあるごとに撒き散らしていたのが、森三中・黒沢かずこ。
6月15日放送の「上田と女が吠える夜」(日本テレビ系)でも「一人で行動するほうが好きor苦手」のテーマで「苦手」派の黒沢が「一人が苦手なんですけど、結局、一人になっちゃうんですよ。一人っ子だし、今までパートナーが一人もできたことないんです」。そして「皆さん『究極の一人』を知らない。私は『究極の一人』を経験しているから『一人の怖さ』を知っているんです!」と叫ぶように訴えていた。MCの上田晋也から「悲しいよ!気ぃ遣うよ!」とツッコまれていたが…。
黒沢はこの日、「みんなスマホ(の見過ぎ)でストレートネックになるんですけど、私、人見知りで他人の靴ばっか見てたんですよ。それでストレートネックになっちゃって」というエピソードも披露。真の「人見知り芸人」と呼んでいいのは黒沢だけ。
(堀江南)