7月8日、オリックスの後藤駿太と中日の石岡諒太の交換トレードが成立したことが両球団から発表された。
後藤は2010年ドラフト1位でオリックスに入団。「上州のイチロー」として期待され、堅守の外野手としてプレーしていたが、ここ数年はパッとしない状況が続いていた。
球界OBが語る。
「19年以降は起用法を巡り、首脳陣に対する不満を周囲に漏らすことも多かったんです。これを球団フロントが問題視していました。昨年の日本シリーズも1軍メンバーには入っていたものの登録されない試合もあり、本人は『早く(他球団に)出して欲しいよ』と嘆いていたといいます」
一方、JR東日本から2015年ドラフト6位で中日に入団した石岡は、一度育成契約となったが、昨年途中に支配下登録に戻った。スポーツ紙記者が言う。
「一軍では貧打にあえぐチームでパンチ力のあるバッティングが光っていたが、レギュラーを取れるかと言われたら微妙。両球団は過去にもトレードを多く成立させており、今回はオリックス側から動いたようだ」
気になるのは7月末にトレード期限が迫る中で、今回が今シーズン初めてのトレード成立だったということだ。理由について前出の記者は、こんな裏事情を明かす。
「先日のヤクルトの『コロナクラスター問題』を見るまでもなく、コロナの影響で一気に戦力ダウンすることも珍しくない。常に替えが効く選手を保有する必要があるため、どこもトレードに二の足を踏んでいるのです」
コロナに振り回された結果にせよ、2人が新天地で活躍することを願うばかりだ。