「結婚するのでゴザイマスヨ!」
マルシアと大鶴義丹が入籍したのは、94年12月26日。大鶴は唐十郎と李麗仙の長男。マルシアはサンパウロ出身の、日系ブラジル女性だ。
2人は翌年1月9日、バンコクでの10日間の新婚旅行から帰国後、成田空港で記者会見を開き、結婚を決めた理由について語った。
「お互い、好きなものは別々だけど、嫌いなものが一緒のところかな」(大鶴)
「さっぱりしているところ。この人ならついていけるって思う。私がついていくのではなく、お互いがついていける。付き合い始めてすぐプロポーズされて、ハイと答えました。女性の喜びを初めて味わいました。でも、まだ(結婚指輪は)私、なさっていないのですね」(マルシア)
お馴染みの「マルシア節」で、報道陣の笑いを誘ったのだった。
ところが結婚から10年の04年10月。そんなラブラブだった2人の間に、修羅場が訪れる。舞台となったのは、義丹の母・李麗仙と同居するために、東京・杉並区内に新築した2世帯住宅だ。マルシアの外出中、大鶴がそこに若い女性を招き入れ、帰宅したマルシアが「その場面」と鉢合わせしてしまったというのである。
6歳になる娘を連れ、自宅を飛び出したマルシアは12月22日、憔悴しきった表情で緊急記者会見に臨んだ。
「(義丹が)ルール違反したんです。目の前に…。友達ならいいけど。もちょっと、これ以上は…思い出したくないんで」
「目撃場面」については言葉を濁したものの、今後については、
「どうぞご自由にして下さい。未練? ないです」
と言い放ち、夫へ三下り半を突き付けたのである。
だが会見の2日前、大鶴はドキュメンタリー番組の長期ロケのため、南米へ出発。代わって義父・唐十郎が会見を開き、
「夫婦関係が決定的になったとは思わない。もう一回、回復させる方法はないものか、模索している」
仲裁に乗り出す意思があると説明したのだ。そこで義母の李を自宅前で直撃すると、
「自宅は私も一緒に住んでいる二世帯住宅で、子供がいて女房が帰ってくる家なのに、連れ込むわけがいでしょう。マルシアの言っていることは不思議な話」
なんと、事実関係自体を否定。新たな火種をバラ撒いたのだ。
南米ロケから帰国後の4月11日、大鶴が会見を開くと、大粒の涙を流して謝罪した。
「マーちゃん、ごめんね。土下座してでも謝りたい。(一人娘について)パパが君のことをどんなに愛しているか、それを伝えたい」
だが、そんな夫の涙の訴えに、マルシアが耳を傾けることはなかったのである。
(山川敦司)
1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。