医師の制止も聞かず、“美人科学者“は71日ぶりに表舞台に立った。そして、通りいっぺんの「謝罪」と執拗な「自己弁護」を繰り返し、目から「一滴の涙」をこぼす‥‥。“完璧“な反論会見を顕微鏡をのぞくようにくまなく点検しても、やはり“新発見“は出てこなかった。そう、涙目の美女はまだ何かを隠している!
「私に、もし研究者としての今後があるのでしたら‥‥」
この日、何度目かの嗚咽をこらえ、小保方晴子氏(30)は声を詰まらせながらこう続けた。
「やはりこのSTAP〈スタップ〉細胞が誰かの役に立つ技術にまで発展させていくんだという思いを貫いて、研究を続けていきたい」
その瞬間、約300人の報道陣からは激しくフラッシュがたかれた。そのまばゆい光は71日前の研究結果発表以上に、世間の関心が高いことを物語っており、その中心にいる女性は、その表情とは裏腹にうれしげにも映ったのだった──。
4月9日、大阪市内のホテルで理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(以下、理研CDB)の研究ユニットリーダー、小保方氏は反論会見を開いた。前日に、論文に「改ざん」と「ねつ造」があったとした理研の調査結果に不服申し立てを行い、その主旨を説明するための会見であった。
事前に伝わっていたように、論文の「不体裁」は小保方氏の「不注意、不勉強、未熟さ」によるもので、「悪意のないミス」だと主張。そのことを謝罪したうえで、「STAP細胞はあります」と結論の正当性を訴え、論文の「撤回は正しい行為ではない」と公言したのだ。
明治大学講師の関修氏(心理学)は、この小保方氏の言動をこう分析する。
「謝罪しているようで、実際には自分の正当性のほうを強く主張したい。小保方氏の会見では隣にいた弁護士が主張の部分を抑制していましたが、ゴーストライター問題で会見した佐村河内守氏に似ていると思いました。恐らく小保方氏も自己愛型のパーソナリティの持ち主だと思われます。自己愛型は自分が正しいと信じ込んだことは譲らず、常に他者にどう見られるかを重視する。小保方氏の会見時の服装や表情にもよく表れている」
この日の小保方氏は紺色のシックな膝丈ワンピースを身に着け、しおらしい印象を与えた。しかし、お気に入りのブランド「ヴィヴィアン・ウエストウッド」の服だそうで、信念を曲げることはなかった。
そして、ハーフアップの髪型とナチュラルメイクも、ホテルの美容師にセットしてもらったというから、入念な準備をしていたことがうかがえるのだ。
以前、「盗作や虚言は性癖」と小保方氏を断罪した札幌国際大学教授の大月隆寛氏はこう話す。
「テレビで会見を見ましたが、活字より映像は雄弁でした。やはり“そういう人”だったのかと‥‥。以前は目元をバッチリ化粧していたのに、今回の会見ではマスカラも塗っていない。最初から泣くつもりだったのでしょうね。もちろん、そう思わない人もいるでしょう。世間とはそういうものですから、しかたのないことです」
同席した弁護士の事務所には、会見翌日から批判以上に激励の電話が多かったという。さらにネット上では、さっそく「小保方擁護論」が書き込まれている。
〈オボちゃんがかわいそうだ。俺は信じる〉という援護に始まり、〈明らかに可愛くなっている〉〈弱っている女は色気がある〉という官能的な書き込みまで‥‥。この期に及んでも、世のオヤジどもは、小保方氏の万能ならぬ“官能細胞”にすっかり幻惑されてしまっているようだ。
◆アサヒ芸能4/15発売(4/24号)より