小保方晴子・理化学研究所ユニットリーダーの「STAP論文」を、理研改革委員会は「世界3大不正の一つ」と切り捨てた。そんな中、小保方氏と上司の笹井芳樹氏が使った年間6億円の研究費についても「不正」疑惑が浮上。実験そっちのけな“不可解な明細”に、共同研究者も「ありえない!」と絶句した。
「STAP(スタップ)幹細胞は夢の細胞だと思います。あってほしいと思います。ただ、これまでの解析は全て、STAPの存在を否定する結果が出ています」
小保方晴子氏(30)の“ありま~す会見”から、約2カ月半余り。今月16日の会見でこううなだれたのは、彼女の「STAP論文」の共著者である若山照彦・山梨大教授(47)だ。
科学部記者が語る。
「STAP細胞が、実は同じ万能細胞である『ES細胞』ではないか? という疑問は強くありました。今回、理研の調査によって、小保方の研究室の冷蔵庫から『ES細胞』と書かれた培養容器が発見されたのです。何より致命的だったのは、発見された『ES細胞』と、彼女が作ったとされている『STAP細胞』が同じだったことです」
いよいよ崖っぷちに追い込まれた小保方氏だが、さらに追い打ちをかける発言が飛び出した。今回の一件で理研が設置した改革委員会がこう発表したのだ。
「STAP論文は、世界の3大不正の一つに認知され、教科書に載る」
科学界で「不正」といえば、02年にアメリカで起きた「シェーン事件」と、05年韓国で起きた「ファン・ウソク事件」の2つだった。ここに日本で発生した「小保方事件」が加わり、未来永劫、悪い見本として語り継がれるというのだ。
前出・科学部記者が語る。
「アメリカの事件で不正をした研究者は、当時世界一とされていたベル研究所に所属していました。しかし、事件後、その研究所が閉鎖される事態になりました。韓国のケースでは世界中の研究者が、不正論文の確認作業に追われ、莫大な時間と、研究資金が浪費されることになりました」
冒頭の会見以来、体調不良を理由に入院している小保方氏。しかし、彼女の身辺調査は着々と進み、理研に採用された経緯にも「不正」と呼ぶべき特別待遇が行われていたことが、明らかになったのだ。
「まず彼女の推薦状が期日までに1通も届いていませんでした。また、英語で行うべき面接を日本語でやったことも明らかになった。さらには、通常行われるセンター内での英語によるセミナーも省略されていたのです」(前出・科学部記者)
豊富な資金を自由に使い、研究を徹底してできる理研は、「科学者たちの楽園」と呼ばれている。それゆえ、全国からトップクラスの実力を持つ研究者たちが採用を希望するのだ。なぜ、彼女にだけ特例が許されたのか──。
ある理研関係者が語る。
「アメリカのハーバード大学から鳴り物入りで来たので、その実力を疑う人はほとんどいませんでした。特例の採用に関しては異論も出たのですが、小保方本人が『研究を秘密にしてほしい』と申し出たのです。そうした特例を認めることに大きく関与したのは、上司の笹井芳樹教授です」
笹井氏といえば、これまでも小保方氏との不適切な関係を疑われた上司である。“ありま~す会見”直後、笹井氏も会見を行い、
「STAP細胞と考えないと説明できないデータがある」
と、小保方氏を援護射撃していた。それを受け、小保方氏は涙ながらにこう答えたものだった。
「尊敬する笹井先生が私の過ちのために会見で厳しい質問にお答えになっている姿を見て、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました」
強い絆を見せた師弟だが、それもそのはず、2人はもはや一蓮托生の「余罪」で“結合”していたのだから‥‥。
◆アサヒ芸能6/24発売(7/3号)より