低迷する巨人が今オフ、MLBのパイレーツから事実上の戦力外となった筒香嘉智の獲得に乗り出す可能性が出てきた。
在京スポーツ紙遊軍記者が内情を明かす。
「実は巨人は昨年11月、筒香がパイレーツからFAとなった時点で、獲得調査に乗り出していた。結局、11月29日にパイレーツと再契約したため幻で終わったのですが、日本球界復帰なら、巨人が最有力候補だった。それが再燃するというのです」
渡米前はDeNAの主軸打者だったこともあり、日本球界復帰となれば、古巣も手を挙げるのでは、との見方もある。
だが、今季は50試合に出場して打率1割7分1厘、2本塁打、19打点と振るわない筒香を獲得するために、積極的に動く可能性は低いという。
DeNA在籍時代の16年に44本塁打を放ち本塁打王に、また110打点で打点王に輝いた人物とは思えない筒香に、高額な年俸は用意しないだろう。前出の遊軍記者は、
「今季、パイレーツでの年俸は400万ドル(約5億3500万円)。メジャー移籍前のDeNAでも、4億円もらっていました。しかし、仮にDeNAが提示するにしても、1億円程度でしょう。それでは筒香が飲まないはず」
現在のDeNAは、かつて筒香の定位置だった4番には牧秀悟が座っている。また、筒香が守れる内外野には宮崎敏郎、佐野恵太、桑原将志らが名を連ねている。古巣に復帰しても、ポジションは用意されてはいない。
一方、巨人は事情が違う。原辰徳監督は若手を育成し、現有勢力を底上げしてのチーム再建を目指しており、それは山口寿一オーナーも了承しているとされる。
だが、それも程度問題だろう。もし47年ぶりの最下位でシーズンを終えれば、他球団から「巨人の欲しい欲しい病」と揶揄されようと、大補強に舵を切らなくてはいけない。
「その候補としてリストアップされるのが、日本球界での実績があり、30歳と比較的若い筒香なのです。一塁や三塁、外野も守れるだけに使い勝手もよく、4億円程度の年俸なら、支払いも可能です」(球団関係者)
筒香がマイナー契約を結び、メジャー復帰を目指す可能性もある。だが、メジャーで182試合に出場し打率1割9分7厘、18本塁打、75打点の成績しか残していないだけに、再びメジャーに這い上がるのは難しい。巨人の一員に加わる可能性は十分だ。
(阿部勝彦)