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フリーで働く個人事業主の問題がないがしろになっています。アルバイトやパートは最低賃金の問題があり、派遣は派遣法の改正など、社会問題として取り上げられていますが、フリーは不遇。「時給に換算したら300円」という報酬もあります。辞めたくても人間関係の問題などがあり、続けてしまいます。
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日本のフリーランス人口は1000万人にも上ると言われています。労働者全体の総数は約5000万人ですから、結構な割合です。ちなみに派遣社員は約500万人なので、フリーランスはその2倍。
ではフリーランスとは何か。区分としては主に、特定の会社や団体などに所属せず、案件ごとに契約して仕事をする…という働き方をしている人です。個人事業主という呼び名もありますが、こちらは「税務上の区分」の呼称。フリーはいわゆるフリーエンジニア、フリー税理士、フリーカメラマン、フリージャーナリスト、フリー美容師、フリープロモーター、などなど、フリーランスとして働く気になれば、あらゆる職業が考えられます。
フリーの人は、来年導入される予定の「インボイス制度」によってどうなるのか、先を気に病む声も聞きます。このインボイス制度は難しい内容なので、おいおい取り上げようと考えております。
端的に言うと「これまで免税事業者だった事業者からも消費税を徴収する」仕組みのこと。これによって、よりフリーランスの仕事が縮小するといっても過言ではありません。
問題なのは、フリーの泣き寝入り案件が多いということ。知り合いのフリーライターが泣いていました。
「使い勝手のいい個人は、明日から仕事はないとなっても文句が言えない。いつの間にかギャラが下がっていることもしょっちゅうだし、それについての説明もしてこない」
アルバイトや派遣は最低賃金制度がありますが、フリーランスはその対象とされないことが大いにあります。私が以前、育児休業について声を上げた時にも、それを感じました。育児休業制度はあくまでも会社員に対する制度であり、被雇用者のための制度だと。個人事業主やフリーランスは、このサポートの対象外になりました。
これはそもそも、国の財源の問題、会社員が月々納めている税金から支払われるものだからです。フリーは言ってみれば、ひとり経営者なので、ここは中小企業庁が理解して仕組みを変える制度を導入してほしいものです。
それこそ、インボイス制度が導入されたら、具体的に動いていくよう願います。フリーランスは女性も多いので、女性の活躍も含め、育休制度についての適用も議論すべきでしょう。
女性のフリーは特にナメられがち、という声も。フリー司会業の女性が嘆いていました。
「契約書すら交わさず、約束した仕事も簡単に別人と差し替えられます。どうせ一個人だから訴えてこないだろうと、見下されている」
フリーという立場では、ガーシーさんもそう。国政でこの理不尽さを変えて下さい(まずは国会出席を)。
宮崎謙介(みやざき・けんすけ)◆1981年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、日本生命などを経て12年に衆院議員に(京都3区)。16年に議員辞職後は、経営コンサルタント、テレビコメンテイターなどで活動。近著に「国会議員を経験して学んだ実生活に即活かせる政治利用の件。」(徳間書店)。