家族と暮らすために東京・世田谷区内に2億円の豪邸を建築、しかし、ほどなくして妻と娘が家を飛び出し、完成した新居で一人で暮すことになった内野聖陽。彼がその自宅前で離婚記者会見を開いたのは、2011年8月19日朝8時過ぎのことだ。
内野は06年に、元宝塚のトップスター、一路真輝と「できちゃった婚」。ただ、当時、内野は文学座の実力派俳優として一部ファンからは支持されていたものの、一般的な知名度はそれほどなかった。そんなことから「格差婚」と書かれたこともあった。
しかし、結婚後はメキメキと頭角を現し、09年にはTBS系ドラマ「JIN‐仁」に出演して坂本竜馬役を好演。同年スタートのテレビ朝日系ドラマ「臨場」では、主演に抜擢されるなど、公私ともに順風満帆に見えた。
だが、「根っからの役者バカ」といわれる内野は、結婚当初から、仕事に没頭すると他のことがいっさい手につかなくなるという性分。台本読みに集中したいとの理由で、別のマンションに仕事部屋を借りるなど、しだいに夫婦の間に距離が広がっていったといわれる。
そんな最中の2010年9月に発覚したのが、写真誌による40代既婚女性との車内不貞キス写真と、飲酒運転疑惑だ。しかも、発覚のタイミングが、内野主演のドラマ「臨場」パート3が内定した時期と重なったこともあり、テレ朝では対応に大わらわだった。
「ほかのメーカーならともかく、スポンサーに自動車メーカーがあったことで、飲酒運転疑惑は致命的だった。結果、放送は延期になり、妻の一路も決まっていたCMの話が流れたと聞いています」(テレ朝関係者)
自分でまいた種とはいえ、火遊びの代償はあまりにも大きかったというわけだが、50人ほどの報道陣を前に会見に臨んだ内野は、開口一番、
「私、内野聖陽と一路真輝は、昨日、正式に離婚いたしました。結果的にこんな形になってしまって、本当に残念で申し訳ない気持ちです」
と、憔悴した表情で語る。ただ、離婚理由については、
「演技に打ち込む自分と、彼女の育児が大変な時期と(重なり)、(一路が)女優としても仕事熱心なこともあり、ひとつ屋根の下で暮らすのが、やっぱり難しい2人だという結論に納得したということです」
いささか回りくど言い回しだった。前年9月の不貞キス&飲酒運転疑惑については、「軽率な行動によって、ダメオヤジさを皆様に披露してしまった」などと語った。
理由はどうあれ、内野が招いた「自滅離婚」だったことは誰の目にも明らか。しみじみと「結婚に向いていなかった」と語る彼の言葉に、妙に納得させられたものである。
(山川敦司)
1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。