反対の声が吹き荒れる中、9月27日14時から日本武道館で行われる安倍晋三元総理の国葬だが、すでに前日から大ブーイングはピークに達している。
台風15号により23日から24日にかけ襲った記録的な大雨によって、静岡県は甚大な被害を受け、26日の時点で約4100棟が浸水。約6万3000世帯で大規模断水が発生した。土砂崩れなどにより2人が死亡、1人が行方不明となったほか、一部集落が孤立化するという事態も起きている。社会部記者が解説する。
「ところが、静岡県の川勝平太知事が自衛隊に災害派遣を要請したのは、26日の午前10時25分。被害の大きかった静岡市の田辺信宏市長などは会見で、24日の時点で自衛隊派遣要請の話は出ていたものの、視察した上で『まず何を支援要請をするのか、具体的な中身を固めなければいけない』と判断を見送ったと話しています。どうにも解せない理由と対応の遅さに、県内外から怒りの声が続出しています」
そんな怒りの矛先は、川勝知事にまで飛び火。さらには「国は何をやっているんだ!」「国葬なんてやってる場合か!」などと、岸田批判へとエスカレートしたのである。
「川勝知事は国葬欠席を表明していたことから『政府の意趣返しか』などといった見方まで飛び出していましたね。ただ、災害による自衛隊の派遣はまず、市区町村長が都道府県知事に要求したのち、これを受けた都道府県知事が防衛大臣に要請して行われることから、今回の件では単に市のレベルで止まってしまったということでしょう。しかし一方、24日にはカナダのトルドー首相が、自国で発生したハリケーンによる洪水被害の復旧を理由に、国葬参列をキャンセルしている。こうした諸々のことが、いよいよ国葬反対派を勢いづかせてきたわけです」(夕刊紙記者)
はじめから国葬強行ありきで、最後まで国民の理解を得られないまま、ズルズルと…。そんな状況が招いた結末と言えるのではないか。