今季のプロ野球は、数十年ぶりの記録達成が相次いだ。順に見ていこう。
4月10日、ロッテ・佐々木朗希が巨人・槙原寛己以来となる、28年ぶりの完全試合をオリックス戦で達成。
9月13日、ヤクルト・村上宗隆が日本人選手では最多タイのシーズン55号本塁打を放つ。これは巨人・王貞治以来となる、58年ぶりの快挙だった。村上が三冠王達成となれば、ダイエー・松中信彦が04年に達成して以来、18年ぶりとなる。
そして、これらより年月でははるか上をいく、72年ぶりに記録を塗り替えたのが、日本ハムの左腕・加藤貴之だった。規定投球回数に達しての「11与四球」は2リーグ制以降、50年に記録した阪急・野口二郎の「14与四球」を上回る快挙なのだ。
その日本ハムは、9月28日の本拠地最終戦後のセレモニーで、新庄剛志監督がファンに向けて挨拶。最下位に終わった今季の戦いぶりを詫びるとともに、
「今シーズンをもって、BIGBOSSのユニフォームを脱ぎます」
と宣言したのだ。すわ、電撃退任かと思いきや、すかさず「SHINJO」と書かれたユニフォームに袖を通す。登録名変更で来季続行、だった。続けて、来季の開幕投手について「加藤(貴之)投手に任せたいと思います」と12球団最速で、サプライズ予告したのである。
これを受けて、野球解説者の高木豊氏は、YouTubeチャンネル〈高木豊 Takagi Yutaka〉で、次のように論じている。
「(加藤のシーズン11与四球は)考えられない数字なんよね。これは首位打者とかさ、最多勝や防御率よりもすごい数字で」
今季はBIGBOSSの話題性抜群の言動が、球界を大いに盛り上げた。来季はBIGBOSS改め「SHINJO」の一挙手一投足が注目されることだろう。
(所ひで/ユーチューブライター)