とはいえ、欧州勢も有力馬がズラリと顔を揃える。今年のGI仏ダービーを5馬身差で圧勝したヴァデニも21日に急遽、参戦を表明した。陣営は「馬場がボン(良馬場)~スープル(稍重に近い重馬場)であれば」という限定だが、
「GIエクリプスSを最後方から差し切っているように、瞬発力を生かせれば怖い存在です」(秋山氏)
前走のGI愛チャンピオンSでヴァデニ(3着)に勝利したのが、1着ルクセンブルクと2着オネストだ。
「1番人気が予想されるルクセンブルクは、愛チャンピオンSを快勝して評価が上昇しましたが、もともと2歳時に3戦3勝(GI含む)している期待馬です。
躓いた英2000ギニー、筋肉を痛めて英ダービーを回避した今春はアンラッキーでした。一方のオネストは、凱旋門賞と同距離、同コースのGIパリ大賞を最後方から差し切り勝ち。続く前走の愛チャンピオンSは勝ち馬と半馬身差の2着ですから、実績のある競馬場で逆転もありそうです」(秋山氏)
これら3頭以外にも3歳勢は多彩だ。
「重賞勝ちこそありませんが、GI仏オークスでクビ差2着だったラパリジェンヌは、前走のGIヴェルメイユ賞の直線で前が狭くなる場面があっての3着。スローペースで前有利の流れだったことを考えると、悪い内容ではありませんでした」(秋山氏)
GI仏ダービーでは、出遅れて4着だったアルハキームにしても、
「ほぼ同じような位置取りからオネスト(5着)に先着していますし、前走のGIIギヨームドルナノ賞は、中団から早めに先頭に立って押し切る好内容。オネストとの比較からしても侮れません」(秋山氏)
もちろん、古馬勢にも注目だ。昨年の覇者トルカータータッソと、GI5連勝中のアルピニスタだ。
「前者は今年4戦1勝で、GIではキングジョージVI世&クイーンエリザベスSとバーデン大賞がともに2着。勝ち切れてはいませんが、昨年のように馬場が渋れば、パワフルで持続力のある末脚は脅威です。アルピニスタは2400メートルのスペシャリストで、トルカータータッソに完勝した昨夏のベルリン大賞から前走のヨークシャーオークスまで、この路線のGIを5連勝中です。先行してよし、差してよしで、馬場の守備範囲も広い。ただ、5歳牝馬の優勝は、1937年のコリーダが最後です」(秋山氏)
他にもGIプリンスオブウェールズSでシャフリヤール(4着)に先着しているグランドグローリー(3着)や、道悪になれば大きく浮上しそうなシリウェイなど、多士済々だ。
まさに大混戦の凱旋門賞。「東スポ」と「競馬エイト」の最終結論を参考に、秋の特大ボーナスをゲットしよう。