YouTubeから「低評価」のカウント数が非表示になったのは21年11月。本来は、低評価数を表示することにより、視聴者の嫌いなコンテンツを知らせる目的があったのだが、不当に狙われるクリエイターが増える要因にもなったことからの是正であった。
この時点で「最も低評価数の多い動画」として記録されたのが、お笑いコンビ・TKOの木下隆行のYouTubeチャンネル〈TKO木下のキノちゃんねる~天まで届け~〉だ。くだんの動画は「TKO木下よりご報告がございます。」と題されたもの。木下は、一連のパワハラ騒動をきかっけに松竹芸能を退所した後で同チャンネルを立ち上げたのだが、その初回動画が「TKO木下より~」だった。
動画は木下がパワハラ騒動を詫びるという内容で、再生数は実に680万回を超えている。だが、高評価数はわずか1万強。対して低評価数はというと、なんと50万。これは2位の低評価動画にダブルスコアの差をつけるダントツ…すなわち日本一の低評価数である。
さて、当の木下がこの動画に関して語ったのが、10月8日に、ロンドンブーツ1号2号の田村淳のYouTubeチャンネル〈田村淳のアーシーch〉に出演した時だった。木下は「実は低評価数は増え続けている」としてこんな内幕を明かしたのだ。
「(低評価表示は)クリエイター本人は見れるんですよ。この前、企画で見てみよう言うて、今ナンボまでなってんやろって。今、62万です」
数字が表示されなくても低評価ボタンを押す視聴者がいることに、田村も驚きを隠さない。続けて木下はこう語るのだった。
「低評価数よりもショックだったのはコメント欄なんです」
7万にも及ぶコメント全てに目を通したという木下は、苦笑いしながらこう言う。
「はじめはそれこそ、《アホ、ボケ、カス》みたいなのばかりだったんですが、そのうち、《後ろの壁見たいんでどいてください》とか、今日の夕飯の献立のメモを書き込んでいる人とか、コメント欄使って誰かにプロポーズしてる人もいました」
コメント欄が大喜利状態になっていることに田村も、「それは木下さんのこと好きな人たちですよ」と大笑いするのだった。
アンチコメントすら笑いのネタになってしまう木下の低評価動画。この分では、その数はさらに伸び続けるに違いない。
(所ひで/ユーチューブライター)