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松井稼頭央「西武新監督」の裏で懸念される、あの「大コケ監督」の二の舞

 西武は10月9日、公式HPで辻発彦監督の退任を発表した。この日、CSでソフトバンクに敗れ、日本シリーズへの道が断たれたタイミングでの発表だった。

 辻監督は、2017年に就任すると、18年、19年と2年連続でリーグ優勝を果たした。監督として在籍6年間で5度のAクラス入り。監督通算400勝も達成するなど知将として知られた。

「侍ジャパンにも呼ばれた源田壮亮、外崎修汰らをレギュラーとして定着させただけでなく、パ・リーグ本塁打王の山川穂高の成長にも一役買った。ただ、今シーズンを含め、3年連続でV逸したことが退任の要因となりましたね」(スポーツ紙記者)

 後任の新監督には松井稼頭央ヘッドコーチが内部昇格することになった。松井新監督は、18年に引退すると、19年から西武の2軍監督として指揮をとり、今季からへッドコーチに就任していた。辻監督に代わる次期監督は既定路線とされていた。

 ところが、こんな内部事情を明かす球団関係者もいるのだ。

「辻政権をもう数年続けてもいいのでは、という意見を持つ者もいたのです。松井は今季ヘッドコーチに就任したばかりで、もう少し辻監督のもとで学んでからでもいいのでは、という見方に加えて、国内FA権を取得した森友哉や外崎が、移籍を模索するとみられています。さらに来季中には、主砲・山川穂高もFA権を得る。つまり、球団にとって今は過渡期。このタイミングで松井にバトンタッチさせるのは荷が重いのではと配慮されたのです」

 こうした懸念が浮上する背景には、これまでにも他球団で多く見られた「バッドケース」があるからだという。

「巨人の高橋由伸監督、広島の野村謙二郎監督、さらには阪神の金本知憲監督など、選手時代はレジェンドだった人たちが、ことごとく監督として失敗している。西武のレジェンドである松井にはあのような失敗はさせたくない。同じ轍を踏ませないためにも、環境を十分に整えてから禅譲させたかったと考える球団幹部は少なくないのです」(前出・球団関係者)

 ともあれ、松井新政権は既に動き始めた。ヘッドコーチには平石洋介打撃コーチが昇格することが決まっている。松井新監督と平石コーチはともにPL学園の先輩後輩の間柄で互いに信頼しあえる仲だ。

「ただ、日米通算2705安打でトリプルスリー達成者の松井新監督に対して、平石コーチは現役通算で50安打にも満たない。そんなヘッドコーチが監督に意見できるのか。また、平石コーチは楽天での監督経験がありますが、在任期間はわずか2年。しかも、初年度は梨田昌孝監督が辞任した6月からシーズン終了までの『監督代行』でした。名実ともに松井新監督の右腕になれるか、不安視する関係者もいます」(前出・スポーツ紙記者)

 いずれにせよ、ファンにとっては常勝西武の再来が悲願だ。まずは新監督の船出を見守りたい。

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