社会

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<眼の奥の痛み>眼圧が急上昇して発症。失明の危険も!?

 眼の奥がズキズキ痛い──。実は危険な病気のサインかもしれない。

 眼の奥が痛む疾患は数多くある。

 まず疑うべきは眼精疲労だ。パソコンやスマートフォンの液晶画面を長時間見続けることで、眼の奥の痛みや、充血、眼がかすむなどの症状を発症する。対処法は、眼を冷やすことだ。

 眼の疲れと言えば、温めることをまず思いつくが、疲れ目が軽い場合は、冷やすほうが効果的だという。

 もし、眼の奥の痛みの他に、頭痛も発症したら片頭痛である可能性が高い。

 吐き気や嘔吐を伴う場合もあるため、市販薬で対処しようとせずに、すぐ眼科を受診したほうがいいだろう。

 最も危険度の高い疾患が「急性緑内障」だ。

 通常の緑内障は自覚症状がないまま進行するケースが多い。しかし、「急性緑内障」は、精神的なショックや疲労、不眠、風邪、喘息などが引き金となり、眼の中の水(房水)の流出路である隅角と呼ばれる部分が狭くなることで眼圧が急上昇して突然発症する。

 眼の奥の痛みや頭痛、吐き気など様々な症状を引き起こす。迅速に処置を行わないと、最悪の場合には失明に至るため、速やかに眼科を受診してほしい。

 その他にも、外傷や逆さまつ毛、眼異物混入、副鼻腔炎や脳卒中(脳血管障害)など、眼の病気以外で別の疾患が原因のケースも多い。特に、頭痛や吐き気など他の症状が現れている際には、医師に相談するのがベストだ。

 受診の際には、いつから目の奥の痛みがあるのか、きっかけとなる出来事はあったのか、他の症状を伴うか、などについて、詳細に伝えることが疾患の早期発見のポイントとなる。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

カテゴリー: 社会   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
同僚ヘルナンデスが指摘!第一子誕生の大谷翔平「ボールが見えない」のは「夜中に起きなきゃいけない」から
2
前世の記憶を持つ少年「僕は神風特攻隊員だった」検証番組に抱いた違和感
3
メジャーリーグ評論家が断言「村上宗隆はヤンキースに行くしかない」意外な理由
4
「二股不倫醜聞」の永野芽郁は映画「かくかくしかじか」宣伝にどんな顔で出てくるのか
5
病気治療「もちまる日記」休止に追い討ちをかける「ありえないサムネイル画像」問題