ウクライナによる東・南部4州(ルガンスク、ドネツク、ザポリージャ、ヘルソン)の奪還作戦が進行する中、ロシア軍はやがて訪れる酷寒期を見据え、ウクライナ全土のエネルギー・生活関連施設などをターゲットとしたミサイル攻撃を繰り返している。
一方、北朝鮮は米韓合同軍事演習への対抗措置なのか、ここへきて常軌を逸した数のミサイル発射を敢行。国境を接して君臨する2人の独裁者、プーチン大統領と金正恩総書記は、ともに核の脅威をチラつかせ、全世界を威嚇し続けている。
そんな中、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は11月2日、北朝鮮がロシアに対して、ウクライナ戦争で使用するための砲弾を秘かに供給している、との軍事情報を公表した。北朝鮮軍とロシア軍の戦力に詳しい軍事アナリストによれば、
「ウクライナ戦争が長期化する中、ロシアが油(軍事燃料)を提供する見返りに、北朝鮮から砲弾の供給を受けている、という事実が明らかになってきたのです」
さらに、ロシアと北朝鮮による窮鼠バーター軍事同盟の、噴飯モノのポンコツぶりを次のように暴露するのだ。
「ところが、ロシアからの油は届いたものの、北朝鮮の戦闘機は老朽化が著しく、実際に飛行できたのは全体の約3分の1という有様。しかも、飛行できない老朽機から各種の部品をかき集め、ツギハギ整備でなんとか飛行可能になった戦闘機のうち、少なくとも1機は試験飛行中に整備不良で墜落した、との笑える情報もあります。陸と海の装備も含めて、所詮、北の戦力はこんなもの。要するに、使いものにならないということです」
ロシアのポンコツぶりも負けてはいない。この軍事アナリストが続けて指摘する。
「同様に、北朝鮮から供給を受けた砲弾をウクライナ戦線に実戦配備してみたところ、アサッテ方向に飛んでいくやら、着弾しても起爆すらしないやらで、これまた、ほとんど使いものにならなかった。そのため、ロシアは北朝鮮に『油はくれてやるが、砲弾はもういらない』と通告したと言います(笑)。裏を返せば、そんなポンコツ兵器をかき集めなければならないほど、ロシア軍の戦力もまた疲弊して、追い詰められているということですね」
結局、アテになるのは核兵器だけ。ただし、核のボタンに手をかけた瞬間、西側諸国による殲滅作戦によって、独裁政権はあえなく潰え去る、という運命にあるのだ。