最悪の軍事シナリオを想定して、11日、外務省は韓国に渡航する予定者に向けた、「スポット情報」を発表した。朝鮮半島情勢に関する最新情報に「注意喚起」を呼びかけている。
「外務省が注意を促す安全情報を出したら、韓国政府は外交ルートを使って、日本政府に懸念を伝えてきたそうです」(官邸担当記者)
安全を主張したい韓国から“クレーム”を入れられたところで、砲弾の雨が降り、ソウルの街が赤く染まったあとに警戒しても手遅れとなる。邦人滞在者だけではなく、旅行会社の「JTB」が6日に発表したゴールデンウイークの旅行動向調査では、9万6000人が韓国旅行を予定しているのだ。
4日には、韓国・釜山の総領事館前に慰安婦像が設置された問題で、抗議のために一時帰国していた長嶺安政駐韓大使(63)が、約3カ月ぶりにソウルに帰任した。
「官邸は韓国大統領選の情報収集のために戻したと強調していますが、『米朝戦争』に備えて、邦人保護や避難経路の確認などのために帰任を早めたと言われています」(前出・官邸担当記者)
一方、トランプ氏は北朝鮮との貿易額が全体の約9割を占める中国に対し、圧力を強めて「制裁」するように求めている。実際に行動を起こさなければ、中国企業の資産凍結も検討しているという。トランプ氏の“プレッシャー”に対し中国の習近平国家主席(63)は、
「諸情勢を見て、真剣に考えたい」
と伝えたとされているが、その“本気度”は疑わしい。米軍の最新鋭迎撃システム「THAADミサイル(終末高高度防衛ミサイル)」が韓国に配備されることについて、中国は強硬に反対しているからだ。
「アメリカは北朝鮮との交渉を中国に任せたいのですが、THAADの問題で協力を得るのは難しい。それどころか、配備を中止にしないかぎり、中国にとってアメリカは『敵国』なので、空爆にも賛成しないでしょう」(近藤氏)
今や、中国は「米朝衝突」の事態に向けて、北朝鮮からの難民が押し寄せた時のために、人民解放軍を国境付近に待機させているという。
北朝鮮の後見国とされる中国が“仲裁役”から手を引けば、「親方・アメリカ」の戦時体制への突入で、日本も真珠湾攻撃以来の「有事」突入となるか──。