今シーズン限りで現役引退する日本ハムの杉谷拳士が11月5日、WBC日本代表との強化試合に代打で登場し、試合後に両チームから胴上げされてフィナーレを飾った。
打席では外野フライに倒れたが、会場からは惜しみない拍手が送られた。さらに、試合後には日本ハム、侍ジャパン両チームの選手がマウンドに集まり、杉谷は5回、空に舞った。その後、杉谷は場内1周の「セレモニー」まで行ったものだ。
「杉谷は12年のプロ生活で、通算288安打、打率2割1分と、大した成績を残していませんが、とにかくいつも元気でトークスキルも高い。帝京高校野球部の先輩でとんねるずの石橋貴明は、自身の個人事務所『arrival』に杉谷を引き入れたいとYouTubeで語っているほどです」(スポーツ紙デスク)
ところが、この杉谷の胴上げに異論が噴出しているのだ。週刊誌記者が言う。
「そもそも、なぜ杉谷の『引退試合』が侍ジャパンの強化試合だったのか、疑問に思った球界関係者は少なくないのです。中には、『WBCの強化試合という真剣勝負の場と、引退セレモニーをごちゃ混ぜにしないで欲しい』と苦言を呈する人もいましたね」
こうした疑問について、前出のスポーツ紙デスクは次のように解説した。
「それは今年から代表監督に就いた前日本ハム監督の栗山英樹氏の計らいでしょう。栗山監督は引退会見にも駆けつけるほど杉谷を可愛がっていることもあり、自分にしかできない演出で杉谷を送り出したかったのでしょう。2人は胴上げ後にがっちりと握手をしていましたね」
粋な計らいの是非はさておき、栗山監督にはぜひとも、来春のWBCで自らが胴上げされて欲しいものだ。