今年10月、440億ドルを投じてツイッター社を買収したイーロン・マスク氏の動向を、世界が注視している。
マスク氏は買収直後に人員削減に着手し、全従業員の半数にあたる約3700人を解雇。日本法人の社員も含まれるという。
この大規模リストラの影響で、虚偽投稿が放置されるリスクが高まったとして、複数の企業が広告出稿をストップ。
こうした動きにマスク氏は「活動家のグループが広告主に圧力をかけたせいで、収益が大きく減った」「とんでもなくメチャクチャだ」と猛反発している。
さらに11月4日、アメリカのバイデン大統領が、渦中のマスク氏について「世界中に嘘を撒き散らす」と集会で厳しく批判する事態となっているのだ。
波乱の幕開けとなった新生ツイッター社だが、意外にも歓迎ムードなのが、日本の芸能界だ。
「芸能界からすれば、マスク氏の方針はメリットの方が大きいですね」
と語るのは、大手芸能事務所マネージャーである。続けて、
「非常に助かるのが『なりすましアカウント』への対処の厳格化です。多くの芸能人が被害に遭っている露骨な偽アカウントに加え、このところ所ジョージやタモリなど大物芸能人の発言として『言ったことのない名言』を投稿する悪質な『自動投稿ボット』も問題となっている。今後は即座に削除してくれるはずです。世間では賛否ありますが、『認証バッジ』を有料で付けられるようになるのも、これまでなかなか認証されなかったタレントにとってはメリットです」
オススメ記事の方針転換にも、期待が寄せられており、
「これまでツイッターの『ニュース欄』はリベラル寄りの話題で独占されていたのですが、マスク氏がポリコレ(political correctness)嫌いであることから、今後は芸能関係の話題もピックアップされやすくなるはずです」(前出・マネージャー)
新生ツイッターは、どんな評価を受けることになるのか。
(山倉卓)