イーロン・マスク氏が買収して以降、トラブルが絶えなかった「Twitter(現X)」の乗り換え先の最有力候補として注目を集めていたMeta社の「Threads」だが、リリースから1カ月経ちアクティブユーザーが8割以上も減少していることが分かった。今後、数週間以内にウェブ版も実装するというが、ここからの巻き返しはかなり難しい状況にあるのかもしれない。
ITライターが語る。
「Twitterがbotや悪質行為排除のため閲覧制限を実施しているタイミングで、Threadsは当初よりも予定を1カ月ほど繰り上げてリリースされました。するとこの狙いが功を奏し、サービスが開始から5日で1億ダウンロードを達成。アメリカの市場調査会社によれば、ピーク時のアクティブユーザーは4900万人にのぼり、提供からわずか数日でTwitterのおよそ半分に達していたといいます」
この勢いでTwitterを飲み込んでしまうかと思いきや、サービス開始から1週間後にThreadsのアクティブユーザーは2300万人と半減。さらに7月末に行われた調査で800万人と、8割以上減少していることが明らかになったのだった。ユーザーが減少している理由には、タイムラインにフォロワー以外の投稿が数多く表示され、キーワードやハッシュタグでの検索が出来ないこと、Webからの投稿が出来ないことなどが挙げられる。
「Threadsはサービス開始直後からTwitterにそっくりであると話題になっていましたが、そっくりなのに機能面で劣っていれば単なる劣化版に過ぎず、利用者が離れるのも当然です。7月末になってようやくフォロワーのみの投稿が表示されるタイムラインが実装され、今後はWeb版の実装や検索機能の改善にも取り組んでいくとしていますが、それはすでにXで出来ていること。Threadsならではの魅力的な機能が出てこない限り、離れたユーザーはなかなか戻らないのでは」(前出・ITライター)
Xのオーナーであるマスク氏とMeta社のマーク・ザッカーバーグCEOが金網デスマッチをするのではないかと話題になっているが、短文投稿SNSでの勝負では今のところマスク氏の圧勝といったところだろうか。
(小林洋三)