国際政治学者の三浦瑠麗氏が11月14日放送の「めざまし8」(フジテレビ系)に出演。コロナ流行「第8波」の到来が危惧される中で、日本の医療体制に物申した。
11月11日、政府は分科会を開き、2段階の対応強化策を決定。新設された「対策強化宣言」は、重症化リスクのある人が直ちに外来診療を受診できないような感染状況になった場合に、各都道府県の判断で宣言が出され、混雑する場所への外出自粛などを呼びかける。
それでも医療がひっ迫した際には、「医療非常事態宣言」も発令。帰省や旅行の自粛など、外出や移動は不可欠なものに限るよう呼びかけるとし、医療のひっ迫度合いの段階に応じて要請内容が判断されることになる。これを番組が紹介すると、三浦氏はチクリ。
「アメリカなんかだと、今は自己申告で『かかりました』って言っただけで、ファイザー製の抗ウイルス薬、飲み薬をすぐ処方されて、飲んで。それって結局、感染のつらい時期を短縮するだけなんで、インフルエンザもそうですけどね、タミフルなんかも。それで済ましちゃってるんですよね。日本だけ医療の側の努力、これはオンライン化も含めた努力が足りないっていうのは、明らかなんですけど」
三浦氏の舌鋒は、さらに鋭さを増していく。
「そういった摩擦が医療側と国民に生じることを、おそらく(政府分科会の)尾身さんたちは快く思わない。信頼が低下するのは問題ですから。だから、何となくまるっとした表現で、三方良しじゃないですけど、若者が反発しにくい表現を工夫してみたりだとか、表現を巡って、なんか努力してるんですよ。でも私たちが求めているのは、医療側が季節性インフルエンザ並みにしっかり対応して、じゃ患者側は自分が大した症状じゃないんだったら我慢する、というようなね、双方に努力することが必要なんですよ。だけど医療側が努力しないのに『あなたたちだけ努力してね』って言われても、それはちょっと…」
番組MCの谷原章介とコメンテーターの橋本徹氏は、努力している医療関係者もいることを示してフォローするも、三浦氏のボルテージはますます上がるばかりなのだ。
「だってやっぱりPCR検査は頑張る、それはお金になるじゃないですか。だけどPCRじゃないところに関しては、今までの対応を変えません、ということなんだとすると、それはオミクロン株には適さないですよね。完全に後退してますよね。全数把握をやめたのも、それは2類から5類に切り替えると、医療に対する補助金とかがカットされたりして、対応ができなくなると困るなってことで、先に全数把握をやめたわけじゃないですか。じゃあ、何の対応を変えたんですかっていうと、今までとそんなにねぇ」
このキレッキレの持論攻撃に、医療関係者は、
「医療側が努力してない?コロナ禍でめちゃくちゃ大変ですよ、現場は。看護師たちも自粛を続けながら働いてきたのに、こんなことを言われるとは…。批判すべきは医療現場ではなく、ロクな対策を打てないで医療に責任を押し付ける政府じゃないですか」
8度目の流行を迎え、またしても国民に自粛を求めるばかりの政府と分科会の姿勢を批判したつもりだったのかもしれないが、「医療側の努力が足りない」と言ってしまっては、医療従事者を敵に回したも同様なのである。
(浜野ふみ)