このタレント議員の頭の中に「反省」の2文字は存在しないようだ。
ほかでもない、国会で自身の「新曲」と「ディナーショー」を宣伝してみせたタレント議員、中条きよし参院議員が11月16日に応じた謝罪会見の一幕である。
その前日、参院文教科学委員会では初めての国会質問に立った中条氏は、あろうことか、次のように締めくくってみせた。
「もう時間だということなので最後になりますが、私の新曲が9月7日に出ております。『カサブランカ浪漫』という曲でございます。ぜひ、お聞きになりたい方はお買い上げください。また、12月28日に『中条きよしラストディナーショー』というのをやります。今年最後のディナーショーではなくて、芸能界最後のラストディナーショーです」
その後、所属する日本維新の会の幹部から「(一連の発言は)ド素人の極み」などと酷評され、藤田文武幹事長から口頭による厳重注意処分を言い渡されていた。その中条議員が翌日の午前10時過ぎに、国会内で謝罪会見に応じたのだ。
「宣伝だと全く知りませんで。(中略)そうとられた方、本当に不適切だと、たいへん申し訳なく思っております。これを今回、場を借りて謝罪いたします」
なにやら怪しげな日本語でこう切り出した中条議員は、会見に同伴していた藤田幹事長の助け舟に気をよくしたのか、記者から年末に予定されているディナーショーについて問われると、いささか得意げな面持ちで、次のように軽口を叩いてみせたのだ。
「芸能界の活動はちょっとやっぱり、これからも先が政治というものと一緒にはちょっとできないなと思いましたので、本当に最後のディナーショーで終わると、そういう気持ちです。と言うと、また宣伝になる?」
長年にわたり永田町を取材してきたベテランの政治ジャーナリストが、一刀両断する。
「最後の軽口からも明らかなように、この人物から反省の色はうかがえない。ド素人の極みどころか、まさしく厚顔の極みです。そもそも、本気で反省して政治活動に専念する覚悟があるのなら、少なくとも年末のディナーショーは中止すべきでしょう。正直、こんなタレント議員を税金で食わせてやっていると考えると、胸クソが悪くなる!」
多くの国民も、そう感じているのではないだろうか。