インドネシアの西ジャワ州チアンジュールで、マグニチュード(M)5.6の巨大地震が発生したのは11月21日。現地では建物倒壊や土砂崩により、死者が321人にのぼり(11月27日時点)、いまだ行方不明者の捜索が続いている。
インドネシアでは11月18日にもスマトラ島西方沖でM6.9の地震があったばかりだ。
一方で11月28日には、38年ぶりに米ハワイ島のマウナ・ロア火山が噴火。それとほぼ同時に、中米エルサルバドルのチャパラスティーケ火山が噴火している。
これらの関連性について、サイエンスライターが解説する。
「インドネシアやチャパラスティーケ火山などは『炎の輪』と呼ばれる、太平洋の周囲をぐるりと取り巻く『環太平洋火山帯』に位置します。距離的に大きく離れていても、どこかで噴火や巨大地震が発生すると、同時期に別のどこかで同様の活発な活動が起こる相互作用が指摘されています。ちなみに、ハワイも同火山帯の内側にありながら、影響を受けやすいとする専門家もいる」
日本は完全にこの火山帯に含まれるといい、
「例えば16年、震度7を観測した熊本地震の本震の数日後には南米エクアドルでM7.8の巨大地震が発生し、死者661人の甚大な被害をもたらしました。やはり関連性が注目されているのです」(前出・サイエンスライター)
明らかに「炎の輪」が活発化する中、気になるのが南海トラフや首都直下の巨大地震だ。
「どちらかといえば、最近、大きな地震がしばしば起きている台湾直下のプレートの影響を受けやすいとされる、南海トラフの方が危ないという指摘がありますが…」(前出・サイエンスライター)
「覚悟」だけはしておいた方がよさそうだ。
(蓮見茂)