サッカーW杯1次リーグ、グループEを1位で通過した日本代表。最終戦のスペイン代表との戦いは、勝てば通過、引き分けでは同組のドイツVSコスタリカ戦の結果次第という厳しいものだった。
試合中も、同時間帯に行われたドイツVSコスタリカ戦の点数の動きで通過と敗退を行ったり来たりする、ハラハラの展開だった。勝利という結果だけでなく、動きが鈍かったコスタリカ戦とは対照的に、現地のサポーターも日本で早起きして応援したファンも、大いに満足させた。
そのスペイン戦を決したゴールはMF三笘薫がゴールラインギリギリのボールを蹴り戻し、ゴール前でMF田中碧が押し込んだ。ところが、三笘が蹴り戻したボールがラインを割っていたか割っていなかったかが非常に微妙で、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が時間をかけて慎重に確認。ようやくゴールと判定された。
ピッチ上の日本イレブンは喜びを爆発させたが、そこで気を抜かず、最後までスペインの猛攻を粘り強く守り切って、大番狂わせを演じたのである。
サッカーライターが言う。
「三笘と田中が抱き合って喜ぶ姿が印象的でした。2人は川崎市の同じ小中学校に通った幼なじみ。学年は三笘が1つ上ですが、通ったサッカークラブも同じで、共に研鑽し、幼い頃から将来は日本代表に、と誓い合ってきました。その2人が決勝ゴールを決めるなんて、ドラマ以上にドラマティック。まさにスポーツは筋書きのないドラマです」
決勝トーナメントのクロアチア戦は、初のベスト8入りを懸けて、12月6日午前0時(日本時間)から。寝不足の日が続きそうだ。