2度目の大金星に列島大興奮──。
サッカーW杯カタール大会1次リーグで、日本代表は「無敵艦隊」スペインに2対1と大逆転劇を演じた。
長いW杯の歴史で、同一大会でドイツ、スペインの強豪を破ったのは日本代表が史上初という世界的快挙。森保一監督も「日本国民の皆さんに勝利をお届けできて本当に嬉しいです」と、ホッとした表情で話していた。
日本国内では、2戦目のコスタリカ戦を0対1で落としていたことで、スペイン戦直前まで森保監督に対するブーイングのオンパレード。ただ、当の本人は「勝負ごとでは手のひら返しは当たり前ですから」と涼しい顔だった。
その森保監督は、W杯終了時点で日本サッカー協会との契約が満了となる。実は大会前に協会は「ポスト森保」探しに複数の外国人監督の品定めをしていた。
監督を選定する技術委員会では「アジアでは勝てる監督だが、サッカーがつまらない」「4年間続けて来た森保体制に新しい空気を入れるべきだ」などと、任期満了をもって森保退任という声が挙がっていたのだ。
しかしフタを開けてみれば、ドイツとスペインに逆転勝利するという離れ業で、ベスト16入りを達成。結果を出し続ける森保監督の首に鈴をつける状況ではなくなっているのは確かだ。
協会ではすでに、大会後から森保監督の続投について議論することが決まっている。快進撃を続ける監督に対して右に左に評価が揺らぎ、最も「手のひら返し」をしていたのは、実はお膝元の協会だったという、笑うに笑えないオチである。
(現地特派記者)