東京大賞典を4連覇したオメガパフューム(牡7歳、栗東・安田翔伍)の引退と種牡馬入りに、疑心暗鬼の声が出ている。
同馬は通算26戦11勝(地方13戦5勝、交流G1の5勝を含む重賞8勝)を挙げ、総獲得賞金7億5207万円を稼いだ名ダート馬だ。
安田調教師は「厩舎開業から今まで大きなケガをすることなく、競走馬を全うしてくれたことに感謝します。産駒の活躍に期待します」とコメントした。だが同馬の引退発表は、今回が初めてではない。
昨年のG1・東京大賞典(21年12月29日)で4連覇を飾った際、安田師はレース後のインタビューで「引退レースを勝利で飾れてホッとしている、今後は種牡馬として成功してほしい」と、TOKYO MXの生放送で語り、一度は栗東トレセンを退厩した。
ところが年明けの22年1月11日に安田師は「関係者間の協議の結果、現役を続行することになりました。しっかりと調整してパフュームらしいパフォーマンスを見せられるように調整していきたいと思います」と引退を撤回し、物議を醸している。
復帰戦となった4月17日のアンタレスステークス(G3・阪神・ダート1800メートル)では、メンバー最重量となる斤量59キロを背負いながら、最後の直線で先に抜け出した1番人気グロリアムンディ(牡4歳・栗東・大久保)を差し切り、優勝を飾っている。
その後、6月29日の帝王賞(G1・大井・ダート2000メートル)、11月6日のみやこステークス(G3・阪神・ダート1800メートル)では連続3着。5連覇がかかる今年12月7日の東京大賞典に向けて調整していたが、結局は12月7日に東京大賞典には出走せず、引退することとなった。
安田師は「年齢を重ね、レースでの疲労の回復に時間を要するようになり、自信を持って送り出せない。これまで頑張ってくれた馬にも失礼なこと、レースにも失礼なことと考慮して、関係者で協議の結果、引退させることにした」と、その理由を語った。だが前年の経緯もあり、
「関係者の中には、7回引退しながらその都度、現役復帰したプロレスラーの大仁田厚をたとえに出して『今回は本当に引退するのか。まさか競馬界の大仁田にならないだろうな』と揶揄する声も上がっていますね」(トレセン関係者)
さて、またひと波乱あるかどうか…。