また、芝2000メートル以上で牝馬に騎乗して高い複勝率をマークするのが、昨年の秋華賞を制した福永をはじめ、ルメール、デムーロ、岩田康誠(43)、戸崎である。
「特にデムーロは“左回り”であれば、【6 4 4 10】で複勝率が58.3%と高い」(伊吹氏)
さらに重賞×牝馬で見ていくと、ルメールとデムーロ、そして岩田となる。
「ルメールは昨年のエリザベス女王杯で12番人気のシングウィズジョイを2着させ、デムーロは15年のチャンピオンズCを12番人気のサンビスタで制しています」(伊吹氏)
牝馬騎乗時の「東京・芝」「2000メートル以上」「重賞」の3つの項目でトップ5に入るルメールとデムーロ、そして戸崎。ともにオークス初制覇に挑むが、「3歳牝馬」となると明暗を分ける。
「デムーロは“左回り”で、かつ芝2000メートル以上であれば【6 4 4 10】で複勝率58.3%。ただし3歳以下の牝馬で41.5%、4歳以上だと48.4%。ルメールは逆で、52.5%と36.1%と、16.4%も3歳以下での数値が高い」(伊吹氏)
昨年の東西リーディング1位の戸崎は、オークスこそ13年、15年、16年と2着続きながら、“若い娘”の限定レースになると数値を落とす。
「3歳以上か4歳以上の牝馬に騎乗したレースなら複勝率51.3%ですが、2歳限定や3歳限定のレースだと平凡な成績に終わっています」(伊吹氏)
オークスの条件下であれば、岩田も好成績を残している。重賞に牝馬で参戦した時、ルメールとデムーロの複勝率50%オーバーには届かないものの、“牝馬限定の重賞”であれば、【7 7 5 23】で複勝率45.2%になる。16年のローズSでは11番人気のクロコスミアで逃げて2着に粘り込んだ。
また3歳以下の牝馬とのコンビでも、複勝率が34.1%で、牝馬の古馬とのコンビよりも、8.9%も高く、オークスで期待が寄せられるのだ。
「岩田は“芝2000メートル以上で、前走の上がりが3位以内だった馬”に騎乗すると、【10 6 8 13】で複勝率64.9%。末脚自慢の馬をしっかりと持ってくる。コンビのディアドラがこの条件を満たすだけに侮れません」(伊吹氏)
独特の騎乗フォームの「トントン乗り」は若い牝馬にもピッタリのようだ。
東京芝&牝馬で実績を残す横山典も怖い存在。
「今年はNHKマイルCを牝馬のアエロリットで制しており、絶妙なペース判断が光りました。前哨戦のフローラS2着のヤマカツグレースを先行策から残しても驚かない」(スポーツ紙デスク)
今年のオークスは表で上位の福永と浜中俊(28)が抽選待ち(5頭中で1頭の狭き門)。ラストの切符を手にすれば、この2人も注目だ。
※本記事のデータは2014年04月26日から2017年04月16日の3年間に施行されたJRAの全レースを集計対象としています