今週は中京で「チャンピオンズC」が行われる。香港からガンピットが参戦予定だが、迎え撃つ日本勢はGI馬ぞろいの超豪華メンバー。はたして、ホッコータルマエが史上初となるGI10勝目をあげることができるか!?
昨年、舞台が阪神から中京に移され、名称もチャンピオンズCに変更。装いを新たにして出直したこのGIは、直線の長いコースでの競馬だけに迫力があり、見応え満点のレースだ。
ジャパンCダートの呼称で00年に創設されたこのGIをまず振り返ってみよう。02年に馬単が導入されてから、その馬単で万馬券になったのは4回(馬連2回)。創設後、これまでの15年間で1番人気は6勝、2着3回。2番人気は昨年の1勝のみで、連絡みしたのは、わずかにこの1回のみ。
言えるのは、特に大きく荒れることはなく、中穴傾向にあることだ。
今年もノンコノユメというダート界の新スターがデンと控えており、地方からの挑戦ハッピースプリント(除外対象)を含め、地方の交流戦も入れてGI勝ち馬が11頭。それに準ずる、つまりGI2着馬が2頭もいる超豪華版。しかも前哨戦に当たる重賞を勝った馬が他にも2頭。さらには香港からの刺客ガンピットもいる。何ともはや‥‥。馬券的にも実におもしろい一戦と言っていいだろう。
データをさらに詳しく見てみよう。ダート馬は、芝か、競走生命が長いが、それでもこのGI戦に限っては7歳以上の勝ち馬はいない(2着が1回)。
ということはグレープブランデー(7歳)、ニホンピロアワーズ(8歳)、ローマンレジェンド(7歳)、ワンダーアキュート(9歳)には、あまり肩入れすべきではないのかもしれない。
データからわかることは5歳馬が圧倒的に強いことだ。半数以上の8勝をあげており、2着も6回ある。あとは6歳(2勝、2着4回)、4歳(2勝、2着3回)の順だが、出走頭数のわりに活躍が目立つのは3歳馬(3勝、2着1回)。古馬とは斤量で1キロしか軽くないのに、上り調子にある強みだろう。軽く見るのは断じて禁物だ。
あとは関西馬が圧倒していること。関東馬で連対したのは02年の勝ち馬イーグルカフェ、そしてその際の2着リージェントブラフだけ。さて、今年はどうだろう。前置きが長くなったが、では勝ち馬をあぶり出してみようか。
前述したとおり関西馬の牙城は強固だが、今回は関東馬の出番があると見ている。といっても最有力候補とも見られているノンコノユメを主力には据えられない。58キロの斤量を背負いながら古馬の強豪をも一蹴した力量からチャンスは十分すぎるほどあると思うが、休み明けで目いっぱいの競馬をした、その反動があるかもしれず、穴党としてはやはり手を出しづらい。
最も狙ってみたいのは、サウンドトゥルーだ。
前走のJBCクラシックは、コパノリッキーの2着。2馬身半差をつけられる完敗だったが、展開が不向きだったまで。直線外に持ち出して追い込んできた脚には見どころがあった。
この中間は順調そのもの。追い切りの動きは実にリズミカルで状態のよさは明らかだ。であるなら最も得意としている距離での競馬。期待していいのではないか。流れがどうなるかはわからないが、顔ぶれからコパノリッキーがマイペースの競馬ができるとは思えず、サウンドトゥルーにとって競馬はしやすいはず。
中距離系フレンチデピュティ産駒で、母系は米国の一流血脈。直線の長い中京コースでの1800メートル戦は、持ち味である強烈な末脚を生かすには、これ以上ない舞台。良馬場条件に大きく狙ってみたい。
穴中の穴は、コーリンベリーだ。短距離馬と見られて評価は低いが、控える競馬もできる馬。
「折り合いに問題があるわけではなく、落ち着き払って最高の状態」
とは小野調教師。名種牡馬ミスタープロスペクターの4×3の近親配合(奇跡の血量)馬。“一発”があっていい。