正月の風物詩になった「箱根駅伝」こと「東京箱根間往復大学駅伝競走」。99回目を迎える今大会で「駒澤一強」「青学連覇」を覆す下剋上は起きるのか。第53回大会から4年連続で「花の2区」を駆けたマラソン界のレジェンドが完全解説。韋駄天ランナーを深く知れば、観戦がもっとエキサイティングになる!
前回の箱根駅伝で花の2区で区間賞を獲得し、オレゴン世界選手権1万メートル代表の大エース・田澤廉選手(4年)を中心に戦力がまとまっています。鈴木芽吹選手(3年)は怪我が多いですが、田澤選手に迫る実力だし、12月10日にエントリーが発表された16名は下位校だったら全員大エースになれるレベルですよ。
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DeNAアスレティックスエリートアドバイザーで、箱根駅伝の解説でもお馴染みの瀬古利彦氏(66)が優勝候補に挙げるのが駒澤大学だ。学生三大駅伝の「第34回出雲全日本大学選抜駅伝」と「第54回全日本大学駅伝」の2冠を達成し、史上5校目となる3冠の偉業に挑む。
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駒大には高校時代に1500メートル、3000メートル、5000メートルで高校記録を樹立したスーパールーキーの佐藤圭汰選手(1年)が加入しました。1区に調子がいい選手を使い、2区の田澤選手がドンッと前に出て差をつけて3区の佐藤選手につなぐ。初の箱根でもビビる選手ではないので、盤石の走りを見せて、駒大が独走する展開も十分ありえます。唯一の不安材料は、山下りの6区の経験者がいないこと。名将の大八木弘明監督(64)は対策を取っていると思いますが、それぐらいしか隙がない。
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対抗馬の最右翼は、前回の覇者・青山学院大学。10時間43分42秒の大会新記録で、2位に10分51秒差をつける完勝劇を見せた。今季は出雲駅伝4位、全日本大学駅伝3位とパッとしない結果だが、それでも箱根駅伝では、15年の初優勝以降、8大会で優勝6回と無類の強さを発揮してきた。
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原晋監督(55)は「箱根で勝てばいい」という考えですから(笑)。力を隠しているかもしれないし、まだスイッチを入れてないかもしれない。これまで、世界選手権レベルの選手を輩出したことはありませんが、逆に言えば、全員が駅伝ではかなり高いレベルで切磋琢磨しているということ。箱根での勝ち方を熟知している名将ですよ。