2030年の開催を目論んでいる札幌五輪が、風雲急を告げている。12月20日、東京都内の日本オリンピック委員会(JOC)で開かれた会見で、積極的な機運醸成活動が当面休止される、と発表された。
これは8月中旬以降に判明した、東京五輪を巡る汚職・談合事件による五輪のイメージ低下を懸念して、招致に不可欠なPRイベントや情報発信を止めるというもの。札幌市の秋元克広市長は「なりふり構わずやみくもに突っ走るのではなく、市民の不信感を払拭するのが先」と説明した。
なんとも聞こえのいい「機運醸成活動」の休止だが、五輪関係者が言うには、
「具体的にどうするか、何も説明されていない。ポーズだけに終わってしまう。例えば街中に貼られたポスターを全てはがしたり、目張りするとか、モニュメントのようなものは撤去するなど、行動を起こさないと、ただ時が過ぎ去るのを待っていることしか考えられなくなる。会見で『一部広告代理店』と説明された電通への丸投げ問題もどうするのか、触れられていない」
じっと耐えしのぐ意味では秋元市長の「やみくもに突っ走らない」という意図は正しいのかもしれないが…。