保険金の不正請求問題が発覚した中古車販売大手「ビッグモーター」が7月25日、東京都内で記者会見を開き、兼重宏行社長が26日付で辞任すると発表した。
兼重氏は保険金の不正請求について問われると、
「本当に耳を疑った。『そんなことまでやるんだ』と愕然とした」
と回答。さらに、
「修理する人間が傷をつけて水増し請求する。あり得んです。本当に許しがたい」
などとまるで他人事。他にもゴルフボールを靴下に入れて車に叩きつけていた問題を挙げ、
「本当に許せない。ゴルフを愛する人への冒涜ですよ」
としていたが、むしろ愕然としたのはこの中継を見た視聴者だったのではなかろうか。
業界関係者も語る。
「驚いたのはゴルフボールなどを使用して車を破壊していた従業員を『刑事告訴する』と強く非難したことですね。上司からの命令で破壊工作をやらざるをえなかった社員にとっては、後ろから銃で撃たれたようなもの。仮に本当に社長が現場の不正を知らなかったとしても組織的に行われていた疑いも持たれているわけですから、なぜ『全ての責任は自分にある』と言えなかったのか。これではいくら社長が交代したとしても自浄作用は期待できないでしょうね」
会見後、刑事告訴について兼重氏は「今考えるとその責任は私にあるなあということで」として撤回。関与はなくとも「私の職務怠慢が原因」と不正の横行の根本原因が自身にあることを強調していたが、どうやらカッとなると見境がつかなくなるキャラも垣間見える。深く頭を下げ炎上の鎮火に努めようとした兼重氏だったが、逆に大量の油を注いでしまったようだ。
(ケン高田)