それはまるで、アルゼンチンのW杯サッカー凱旋パレードのような人混みだった。にわかには信じがたいほどの人山が、渋谷の街に出現したのだ。
渋谷公園通りから代々木公園ケヤキ並木までを青色のライトで演出するイルミネーションイベント「青の洞窟 SHIBUYA」は、12月の頭から始まり、25日のクリスマスをもって開催終了。およそ3年ぶりのイベントだったのだが、24日のクリスマスイブと25日のクリスマス当日には、人、人、人!
いくら渋谷とはいえ、ありえないくらいの人混みが、渋谷の駅から1キロ以上にわたって広がり、一歩踏み出すにも遅々として進まず、体が潰れそうなほどの窮屈さだった。
コロナ禍での鬱憤が一挙に爆発した様子は、一歩間違えば、恐るべき惨劇となるほどの混みっぷり。だが、警備がしっかりしていたこともあってか、難は回避できたようだ。
期間中は公園通りから代々木公園ケヤキ並木にかけて、約800メートルにわたって青い光の電球を、60本あまりのケヤキに設置。各7000個、合計約60万球の電球が青一色で彩る、幻想的な世界だった。
「これを見たさに、前回のイベントではおよそ320万人が来場したわけですが、今年はそれをはるかに上回る人数だったと思います。それも、クリスマスの時期に一斉に集結したことが、コロナ時代の不満を象徴していますね」(社会部記者)
過去には、大盛況を受けて年越しカウントダウンのイルミネーションを急遽、実施したことも。今年はどうするのか。平常な渋谷に戻ることを祈る。